ウサギとカウンセリング

【ウサギと学ぶ】カール・ロジャーズのパーソナリティ理論・命題16、17

この記事では、カール・ロジャーズのパーソナリティ理論に出てくる命題16、17についての説明に挑戦しています。

命題16のポイントは、私という感覚と矛盾する私の経験は、基本的には、脅威と感じられるということです。

命題17のポイントは、私という感覚が何の脅威にも晒されていない状況下では、私という感覚と矛盾する経験も、自分の一部として感じられる可能性がでてくる、ということです。

カール・ロジャーズのパーソナリティ理論をなんとかわかりやすく説明できないかと考え、できるだけ簡単な言葉で説明しようとして作成した全15話にわたる小説タッチの記事です。

カウンセリング、カール・ロジャーズ、パーソナリティ理論、来談者中心療法、人間理解に興味のある方は読んでみてください。

第13話はこちら

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第14話 学習10日目~命題16、17~

小さな建物の小さな椅子に座っているクー。

今日は一羽だけでちょこんと座っている。

テーブルの上には家のドアノブに引っかかっていた置手紙。

手紙には「すぐに帰ってきますので、家の中で待っていてください」とだけ書いてあった。

静かに先生を待つクー。

水筒の水を飲みながら待っていたが、先生はなかなか帰ってこない。

 

クー
クー
ちょっと探検してみようかな…。

 

急に好奇心が湧いたクーは、小さな建物内を見て回り始めた。

 

クー
クー
こっちが台所で、ここがトイレ…。で、ここが書斎か。先生どこで寝てるんだろ?

 

クーがウロウロしていると書斎の机の上に伏せてある写真たてを見つける。

 

クー
クー
誰の写真かな…。

 

クーが写真たてを起こすと、そこには今より大分若い先生と、見たことのない小さなウサギさんが嬉しそうにおにぎりを食べている写真が入っていた。

 

クー
クー
先生だ…。若いな。そしてカッコいい。隣の小さなウサギさんは先生の子供さんかな?

 

クーは写真たてを元通りに伏せ、いつもの学習部屋に戻ってきた。

 

再び椅子に座って先生を待つ、クー。

 

クー
クー
おにぎりをもっと上手に握れるようになりたいな。

 

小さな椅子に座りながら足をブラブラさせて、クーはつぶいた。

 

先生
先生
やあ、待たせてしまったようだね。

 

老ウサギが帰ってくる。

 

クー
クー
先生、こんにちは。

 

先生
先生
はい。こんにちは。ちょっと離れたところに建っている倉庫で探し物をしてたんだけどね、なかなか見つからなくてね…。時間がかかってしまった。ごめんね。

 

クー
クー
倉庫に行ってたんですね。それで探し物がなかなか見つからなかったんですね。

 

先生
先生
そうなの。ごめんね。

 

クー
クー
いえいえ、のんびり待ってました。

 

先生
先生
よし、じゃあ、早速今日は命題16からとりかかろう!

 

クー
クー
はい、お願いします!

 

命題16

自己体制もしくは自己構造と矛盾対立するいかなる経験も、なんらかの脅威として知覚されるであろうし、このような知覚が多ければ多いほど自己構造は、それ自体を維持するように強固に体制化される。

(命題はロージァズ全集8巻パーソナリティ理論、第2部、第4章より引用)

 

先生
先生
さて、言い換えてみるよ。

 

私という感覚を成立させてきた過去の経験と、矛盾してしまうような現在の経験は、自分を脅かすものであると感じられる。

人間は、自分を脅かすものが多ければ多いほど、その私という感覚を成立させてきた過去の経験に固執する

 

先生
先生
人間は、現在の私という感覚を脅かされれば、脅かされるほど、その私という感覚をつくりあげた過去の経験にすがりついてしまうんだね。

 

クー
クー
現在の私という感覚が脅かされるほど、過去の経験にすがりつく…。

 

先生
先生
そう。このときの人間の固執エネルギーは相当のものだよ。まるで自分の存在そのものを必死に守っているかのようにね。

 

クー
クー
過去の経験に必死にすがりつくことは、自分の存在を必死に守る姿そのもの…。

 

先生
先生
そうだね…。さて、次の命題に進もう。

 

クー
クー
はい。お願いいます!

 

命題17

自己構造に対して基本的になんらの脅威も包含していない条件下においては、自己構造と矛盾対立する経験は、知覚され検討されるようになり、また自己構造は、そのような経験を同化し包含するように修正されてくるであろう。

(命題はロージァズ全集8巻パーソナリティ理論、第2部、第4章より引用)

 

先生
先生
さて、言い換えてみるよ。

 

現在において、私という感覚を脅かすものが何もないと感じられるときは、私という感覚を成立させてきた過去の経験と、矛盾してしまうような現在の経験も、自分のものかもしれないと検討できるようになり、自分の一部として感じられるようになる。

 

先生
先生
なんとなくわかるかい?

 

クー
クー
うーんと、今が、全然こわくないときなら、認めるのがこわくて切り離しておきたいような経験でも、自分の一部にできるってことかな?

 

先生
先生
そうだね。さて、ここで問題なのは、こわくないとき、つまり、私という感覚を脅かすものが何もないと感じられるとき、ってどういうとき?ってことだね。

 

クー
クー
むぅ。

 

先生
先生
例えば、クーは、どんなときなら、私からなんの脅かしも感じなくてすむかな?

 

クー
クー
うーんと、先生が怒ってないとき…。

 

先生
先生
怒ってないときね。

 

クー
クー
あと、えーと…。ダメだ!って言わないときです。

 

先生
先生
ダメだ!って言わないときね。否定しないときってことかな?

 

クー
クー
はい。あとは…。命令されないとき…かな。

 

先生
先生
ほう、命令されないときね。

 

クー
クー
はい。わたしは、自分の行動は自分で決めたいので。命令されると、そこのところがおびやかされます。

 

先生
先生
ふむふむ。あとは?

 

クー
クー
うーん。

 

先生
先生
たとえばね、褒められる、とかは?

 

クー
クー
あーそれはいいですね。褒められると嬉しくなります。

 

先生
先生
ふふ。褒められると嬉しくなりますね。

 

クー
クー
はい!

 

先生
先生
厳密な話をするとね。

 

クー
クー

 

先生
先生
どんな気持ちが込められていたとしとも、それが私の言葉であれば、クーにとって脅かしになりうるんだよ。

 

クー
クー
えっ。

 

先生
先生
私の言葉はどんな言葉であろうともね…。

 

クー
クー
先生の言葉はどんな言葉でもわたしにとっておびやかしになりうる…。

 

先生
先生
そう…。

 

クー
クー
褒める言葉でもですか?

 

先生
先生
そう。褒める言葉でもね。クーの、“私という感覚”を成立させてきた過去の経験と矛盾して、脅威になってしまうことはある。

 

クー
クー
じゃあ、どうすれば…。話せなくなっちゃうじゃないですか、何も。

 

先生
先生
そうだね。私の言葉は話せなくなっちゃうね、何も。

 

クー
クー
…。

 

先生
先生
…。

 

クー
クー
…黙っていればいいのかな?ずっと。

 

先生
先生
ふふ。確かにそれなら私の言葉が直接クーを脅かすことはないね。だけど、ただ黙っていたって、クーにとって脅かしになることもある。

 

クー
クー
少し、わかる気がします…。先生がずっと黙ってるだけだと、何考えてるんだろうってこわくなっちゃうかも…。

 

先生
先生
そう…。何も言葉を交わさないことも脅かしになりうる。

 

クー
クー
どうしたら…、どうしたら、わたしは、わたしという感覚がおびやかされることが何もないという状態になれるのでしょうか…。

 

先生
先生
クーは、クーにとって一番脅かしのない言葉ってどんな言葉だと思う?

 

クー
クー
わたしにとって一番おびやかしのない言葉…。

 

先生
先生
そう。

 

クー
クー
優しい言葉、嬉しい言葉、ホッとする言葉…。だけど、具体的にどんな言葉を聞いたら、わたしがそう感じるかはわからないです。

 

先生
先生
そうだろうね。私はね…。クーにとって一番脅かしのない言葉を知っているんだ。

 

クー
クー
どんな言葉ですか?

 

先生
先生
それはね、クー自身の言葉だよ。

 

クー
クー
わたし自身の言葉?

 

先生
先生
そう。クーにとって一番脅かしのない言葉は、クー自身の言葉なんだ。

 

クー
クー
わたしにとって、一番おびやかしのない言葉は、わたし自身の言葉…。

 

先生
先生
そう。だから、クーは、他の人から、クー自身の言葉を聞かせてもらうとき、とても安心できるんだよ。

 

クー
クー

わたしは…他の人から、わたしの言葉を聞かせてもらうとき、安心できる…。

たくさん安心すれば、今は、こわくて切り離しておきたいような経験も、自分の一部にできるようになる…。

 

先生
先生
うん。そういうことだね。さて、今日はここまでにしておこうか。

 

クー
クー
はい、ありがとうございました!

 

クーはパタパタと後片付けを始める。

 

先生
先生
ああ、そうだ。あなたに渡すものがあるんだ、ちょっと待ってて。

 

クー
クー

 

老ウサギは部屋の奥から、何かの装置をもってくる。

 

クー
クー
これはなんですか?

 

先生
先生
ふふ。これは飯盒(はんごう)と言ってお米を炊く装置だよ。おにぎりを作るにはこれが必要なんだ。

 

クー
クー
先生が倉庫で探してたのって、これだったんですね。

 

先生
先生
そう。これ、あなたにあげるよ。

 

クー
クー
本当ですか。ありがとうございます!

 

先生
先生
これでおにぎりを作って、あなたの大切な誰かと一緒に食べてね。

 

クー
クー
わあ、嬉しいなぁ。でも使い方がよくわからないです。

 

先生
先生
また今度詳しく教えてあげるよ。いろいろコツがあるんだ。初めちょろちょろ中パッパ、子ウサギ泣いても蓋とるなってね。

 

クー
クー
…呪文ですか?

 

先生
先生
そう。ふふ。おいしくご飯を炊くための呪文さ。

 

クー
クー
それではいただいていきます。ありがとうございます!

 

クーは何度も頭を下げて、飯盒を大事に抱え、小さな建物をあとにした。

 

先生
先生
あの子があんなに喜んだ、おにぎりなら、きっと大丈夫。

 

老ウサギはポツリとつぶやいて、ニコニコしながらテーブルの上を片付け始めた。

 

 

次回 最終話

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