カウンセリング

【カウンセリング】オウム返しの危機

今回の記事は、「オウム返しの危機」ということで、実際のカウンセリングの場面で、オウム返しが上手く機能しないときについて書いてみました。

実際にカウンセリングの実践をしている方には、ある程度共感していただけるかと思います。

この記事では、カウンセリングの応答の型を、一般的な呼称としてオウム返しという言葉で紹介していますが、私が学習してきたところでは、この応答の型をオウム返しと言ったことは一度もありません。

実際に私の身に添う形で表現すると、「相手に聞かせていただいた言葉のすがたをそのままのすがたで相手に届ける」ということです。

どこが違うの?と疑問をもつ方もいるかもしれませんが、言葉のすがたが違えば、世界が違うと言いたいのです。

興味のある方は読んでみてください。

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オウム返しの危機ークライエントが一人で走るように語る場面

カウンセリングでは、クライエントの語る言葉に隙間がほとんどなく、カウンセラーのレスポンスを待たずにというか、カウンセラーのレスポンスを避けるように、どんどん話し続けてしまうという場面があります。

こういうとき、まずは、無理にクライエントを止めずに、相槌程度で応答し、走りきってもらって少し落ち着いてから、カウンセラーに残った言葉のすがたを届けて、そこからテンポよく言葉のすがたを届けていくのがいいかもしれません。

ただし、相手のレスポンスを無視するような語り方が身についてしまっている人もいるので、そういう人の場合は、また結局一人で走っていってしまいます。

その場合は、やはりどこかでカウンセラーがその人の語りを一度止めて、こちらのレスポンスを積極的に聞いてもらうことも一つの方法だと思います。

なにより大事なのはカウンセラーの一致性です。

カウンセラーがそのクライエントを前に真実であることです。

走り去るように語っていくクライエントに、置いてけぼりをくらっている感じで居たたまれない気持ちになっているなら、れを隠さず、その気持ちに従ってなにか動くべきだし、クライエントが一人で走っていることに、特に抵抗を感じず、余裕をもって見守ることができているのであれば、無理に止めることもないでしょう。

こういうときは、こうするべき、と画一的に学ぶのではなく、今、このときのこの人の前で、自分がどうあるのがベストであるかと思考する姿勢が大事だと思います。

ただ、個人的な欲を言えば、せっかくカウンセリングをする機会が与えられたのであれば、普段は体験できない応答を出来る限り体験していってほしいと思いますので、一人で走っていくような語り方は、ある程度のところで止めたいと私は思っています。

オウム返しの危機―オウム返しに違和感を覚え、それにこだわってしまう場面

カウンセラーがただ言葉を繰り返しているだけ、という感じに引っ掛かり、自分の語りに集中できなくなってしまう人がいます。

こういう人は、自分を語り、自分という感覚や理解を深めていくということに慣れておらず、どこかでそれを避けているようなところがあるかもしれません。

したがってそれを促そうとするカウンセラーの応答に抵抗してしまうのでしょう。

クライエントの関心が、カウンセラーの所作に向いているうちは、カウンセリングは始まりません。

カウンセラーとしては、クライエントの関心がクライエント自身に向いてほしいと願うわけです。

こういう時の対応は、クライエントが困惑し、立腹し、私の言葉を繰り返さないでほしいと言ったとしても、その言葉のすがたをそのまま届ける、というのがひとつのセオリーなのかもしれません。

クライエントが、カウンセラーの自我での反応を求めても、あくまでカウンセラーは鏡として徹する。

もし、クライエントが強烈な不一致を抱え、自分の言葉が自分に聞こえること自体に不愉快を感じているのであれば、それは肝心なところです。

しっかりと鏡になることに徹し、一緒にその抵抗を乗り越えたいところです。

しかし、クライエントがあまりにも強い難色を示し、面接続行不能状態に陥ることもあるかもしれません。

そんな時は、カウンセラーの方から正直にその辺りの感覚について話題にとりあげ、明確化してみるのがいいかもしれません。

カウンセラーは、あくまでクライエントの語りを支えたがっているのだということを伝えてみるのも手です。

こういった、カウンセリングにおいての危機的状態に対処するためにも、カウンセラーが、「相手に聞かせていただいた言葉のすがたを相手に届ける」という所作を、状況によっては自由に手放すことができるかどうかということは、クライエントとの今ここの関係づくりにおいては、大事なところだと思います。

オウム返しの危機ーカウンセラーへの質問が多い場面

自分が相手に質問し、相手が答える。相手が自分に質問し、自分が答える。

このパターンがコミュニケーションの基本として身についていて、それがマナーであるというぐらいの感覚を持っている人がいるようです。

相手に質問をしないこと、相手の質問に答えないことは失礼であるという価値観を強くもっている感じですね。

まず相手の意見を聞き、それとの対比で自分の意見を言うことに慣れている人、または、自分主体のコミュニケーションが苦手な人もこれに該当します。

こういう人達は、自分を語り、自分という感覚や理解を深めていくということに慣れていない、もしくはそれが許されていることをなかなか信じられないのかもしれません。

カウンセラーがクライエントの質問に答えないのは、カウンセラーがクライエントの質問に答え、カウンセラーのところを語っていくことが、クライエントが自分を語り、自分という感覚や理解を深めていくということを妨げてしまうからです。

私自身は、クライエントの抵抗を上げないため、質問の形で出た声には、わりとすぐに答えてしまうことが多いのですが、厳密にいえば、その応答は、クライエントが自分語りに深く入っていくことを妨げているかもしれません。

クライエントがクライエント自身と向き合う抵抗感を一緒に乗り越えるイメージをしっかりと持ちながら、徹底して質問には答えないという対応がセオリーなのかもしれません。

ただ、クライエントの感情の流れをしっかりくむことができないと、カウンセラーが質問に答えないという理由で面接が中止されてしまうこともありえますので、注意が必要です。

オウム返しの危機ーカウンセラーのレスポンスがまるで響いていない場面

ロジャーズの言うカウンセラーの態度条件は、一致性、無条件の肯定的関心、感情移入的理解の3つが有名ですが、クライエントのパーソナリティ変容に関して重要な条件がもう一つあります。

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それは、カウンセラーのその態度が最小限度でもクライエントに伝わっていることです。

カウンセラーがしっかりとクライエントの動きに合わせて応答していたとしても、その応答がクライエントに届いていなければ意味がないということですね。

やり取りの中で、普通の声量でレスポンスをしていても、こちらの声がまったく響かない、届かない人もいます。

単純に聴力の問題のときもあれば、意識・注意の問題のときもあり、精神的にブロックがかかっているときもあるように思います。

そういうときは、カウンセラーに残った、特に届けたい言葉のすがたを強調して届けるとか、声を大きめ、ゆっくりめにするなど、なんとかこちらのレスポンスを響かせ、届けるための工夫が必要かもしれません。

そのためにも、相手がこちらのレスポンスにどう反応しているかをしっかりと見ていくことは、とても大事なところだと思います。

オウム返しの危機ーなかなか身に添う言葉に運ばれていかない人

カウンセリングのミソは、クライエントが語っていく中で、自分の感情、体感、経験にぴったり合う言葉にであっていき、自己理解がすすんだり、感覚が鋭くなったり、精神的な自由を獲得していくことです。

そのためにカウンセラーは、クライエントが深く、深く自分語りに入っていけるような応答をしていきます。

そのひとつの手段が一般的にはオウム返しと言われている対応です。

相手に聞かせていただいた言葉のすがたを、そのまま声にして相手に届けるというやりとりは、相手の語りを受け止め、そして、相手の語りを進めます。

その影響力は不思議な程大きなものです。

しかし、どれだけ一生懸命取り組んでいても、ただ相手が語った言葉のすがたを機械的に届けているだけでは、なかなか語りが深まっていかない相手というのが存在します。

そういう相手の場合は、相手の言葉のすがたを届けさせていただきながら、カウンセラーがどれだけ感情移入できているかということが大事になってきます。

なかなか語りが深まっていかない場合は、相手の言葉のすがたに応じているだけではなく、感情移入しているカウンセラー自身の言葉が必要なときがあります。

このあたりの取り組みは、ロジャーズ派のカウンセリングの根底にも関わる問題なので、カウンセラーによってかなり考え方が分かれると思います。

あくまでも、どこまでも相手の言葉のすがたにのみ、付き従っていくべきとする人。

今ここのクライエントに感情移入できているのなら、カウンセラー自身の言葉もさほど邪魔にならず、時にクライエントを助けることもあると信じられる人。

大事なのは、どちらにしても、カウンセラー自身が、その体験において真実であるということだと思います。

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オウム返しの危機ーおわりに

いかがだったでしょうか。

今回もカウンセリング学習を続けている人向けの記事となりました。

カウンセリング学習は体験学習です。

私の学習もそこそこ長くなってきていますが、これまで先生からカウンセリングの理論を教えてもらったことはありません。

すべて、見て、聞いて、感じさせていただいたところで学んできたところです。

自由に感じ、自由にわかり、自由に学ぶ。

それがカウンセリング学習の基本です。

ロジャーズは、自分の体験こそが自分にとって唯一の権威であると言っています。

私は、今後も自分の体験を根拠に学習を進めていきたいと思っています。

体験学習の面白さが、ひとりでも多くの人に伝わりますように。

 

カウンセラー 黒田明彦

 

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