体感と実感

これからダイエットを始める若い人たちへ【摂食障害の予防的知識】

今回の記事は摂食障害に関する記事です。摂食障害はある程度資質がないとなれない障害のようですが、なってしまうと十年単位で苦しむ難病指定の病気です。

基本的には若い女性がなってしまうことが多く、きっかけはダイエットであることが多いです。

摂食障害の専門的な情報は少しずつ増えてきていますが、この記事は予防的な観点で書いてみようと思います。興味のある方は読んでみてください。

ダイエットを始める若い人へー摂食障害ってどんな病気?

摂食障害には、体重に関するこだわりが強迫的になり、異常なほどにカロリー摂取を拒んでしまい、生命が危険な状態になってしまうほどに、ガリガリに痩せてしまう拒食症、そして、その強烈な飢餓感の反動で、今度は食べることのセーブが効かなくなって、極端に大量に食べてしまう過食症があります。過食状態になっても強烈な痩せ願望は変わりませんので、過食嘔吐という状態に移行していくことが多いです。

摂食障害の流れ

とにかく体重を減らしたい、カロリー摂取が怖い反動で過食衝動が抑えられなくなる食べてしまうことが抑えられないので、食べたものを吐き出すことでカロリー摂取を抑えようとする

ダイエットを始める若い人へー摂食障害になってしまう素質

家庭環境が悪く、虐待を受けていたり、親から充分な愛情をもらえなかったことが摂食障害の発動原因になる人は多いようです。

しかし、実際に摂食障害になってしまう人には、ある共通の素質があります。

摂食障害の多くは、拒食状態から始まります。拒食状態とは、自分を極端な飢餓状態に追い込むという行為です。

最初は気軽なダイエットとしてはじまった拒食行為でも、本人の自覚とは関係なく徐々に加速していきます。拒食状態を加速させてしまうのは、極端な飢餓状態に自分を追い込むことでの精神的な満足感、コントロール願望を満たしているという感覚です。

しかし、この自分を極端な飢餓状態に追い込むということにはある才能が必要です。

それは、極端な完璧主義という才能です。

種々のストレスが原因で、摂食障害になるかどうかの別れ目は、この才能を持っているかどうかにかかっていると私は思います。

摂食障害の素質

極端な完璧主義

極端な完璧主義

曖昧なことが許せない

何かを始めたら完璧にしないと気が済まない

0か100かで物事をとらえるのが当たり前

完璧にできない自分は存在意義がない

物事を完璧にできないとき、それはやっていないのと同じである

自分が極端な完璧主義だという自覚のある人はダイエットを始める際にご注意ください。あなたの人生初めてのダイエットがあなたの摂食障害の始まりになることがあるのです。

極端な完璧主義を克服することは難しい

摂食障害を発症する多くの人がこの極端な完璧主義の持ち主です。そして、10年以上苦しんで克服していくわけですが、克服の過程でこの極端な完璧主義が、柔らかい完璧主義に移行します。

この完璧主義が和らげば和らぐほど摂食障害の症状も和らぐのですが、完全に克服した人の様子を見た感じでも、やはりその完璧主義の名残はあります。

そこから考えるに、この完璧主義は拒絶すべきものではなく、神から授かったもの、ギフテッドだと思った方が良さそうです。

完璧主義を否定し、それこそそれを完璧になくそうとするのではなく、その完璧主義を食事制限以外にも活かそうという発想が良いのかもしれません。

実際、摂食障害になる人は各領域で高い能力を発揮できる人が多いです。

ダイエットを始める若い人へー摂食障害の回復のプロセス

摂食障害は、人によっては10年以上の苦しい期間を経て回復するものですが、その回復のプロセスには共通しているものがいくつかあります。

1つの大きなポイントは、現代医療の介入だけでは満足な治療体験が得られることが稀である、ということです。

特に拒食期の生命の危険があるほどの痩せ状態のときは、医療介入が絶対に必要ですが、生命の危機をしのいで退院したあとに、摂食障害が良くなっているかというと、基本的なところでは変わっていません。

また心理の専門家のセラピーを受ける人も多いですが、残念ですが実際の体験者が力強いレビューを記してくれているものはほとんどなく、あくまで補助的な効果しか期待できないようです。

摂食障害の回復には、ゆっくりと時間をかけて自分の意識が変わっていくというところが大きく、他者の介入をほとんど許さないような迫力があります

苦しみながら、少しずつ自分の意識が変わり、あるとき自分は病気なんだと気づき、認め、あるとき、自分は治したい、治らなきゃならないと覚悟が決まり、一進一退を繰り返しながら、ゆっくりゆっくりと回復に向かっていく。

摂食障害には、そのようなプロセスがどうしても必要なようです。

摂食障害の回復―意識の変化のきっかけになるもの

摂食障害の回復には本人の意識の変化がどうしても必要ですが、その意識の変化のきっかけになるものの例をいくつか紹介します。

海外旅行や留学

根本的に全く違う文化に触れることで、自分が今持っている身体や食に関する価値観があくまで現代日本文化の影響を受けているにすぎないということを肌で感じられた時に、一つ契機が生まれるようです。

愛してくれる人の存在

彼氏ができた、自分の存在をそのまま受け止めれてもらえる人がいた、など身近な人の愛情が契機となることも多いようです。しかし愛情というのは受け取る方にも器が必要です。すでに身近に愛情を注いでくれている人がいても、それに気づかないことはあるようです。

摂食障害に苦しむ仲間の存在

同じ摂食障害に苦しむ人の体験談が契機になることも多いようです。特に過食期の食べたもの報告は自分の状況を安心させてくれる気分になるようです。

最初は痛みを共有する、傷をなめあうようなところから始まり、いつかどこかで回復した人の体験を参考にし、具体的に回復のための行動をするようになる時期がくるようです。

摂食障害の回復―苦しいときこそ前を向け

ある摂食障害の克服者の体験談から、病気が治ってから好きなことをやろうとすると病気の治りが遅くなるというものがありました。

病気のままで少しずつ自分にやりたいこと、好きなことを許してあげる感覚がとても大事で、最終的には回復を早めるとのことです。

極端な完璧主義をもっていると、摂食障害の影響でいろんなことが完璧にできていない自分を責め続けてしまいそうですが、とにかく自分の好きなことを少しずつ開放してあげること回復への近道のようです。

ダイエットを始める若い人へー摂食障害になりたくないなら

極端な完璧主義を持っている人が、ダイエットを始めると摂食障害になるリスクがあります。

始まりは本当に些細なきっかけから始まるようですが、自分の行動により、わかりやすい成果が得られること(摂取カロリーを抑えると、体重が減る)この満足感は麻薬のような強さがあるらしく、どんどん洞察のほとんどない、また他者の発言の介入を許さないような極端な行為が生まれ、エスカレートしていきます。

そして今度はその反動で過食になったり、過食嘔吐になったりと、身体の作用と心の作用がどんどん悪循環していくような状態に陥ります。

この悪循環になってしまったら克服するのに10年以上かかってしまうこともあるのです。

そこで私からの提案なのですが、どうせダイエットするなら、極端な完璧主義を活かして、あくまで完璧に痩せませんか?

ここでいう完璧とは痩せれば痩せるほど価値があるという歪んだ認識に基づくものではなく、科学的に妥当性のある完璧な痩せ方を目指しませんかということです。

世の中にはBMIという計算式がありますね。

BMI計算式

標準体重

標準体重= 身長(m) × 身長(m) × 22(BMI)

標準体重とは日本ではもっとも病気になりにくいとされている数値。

美容体重

美容体重= 身長(m) × 身長(m) × 20(BMI)

美容体重とは、健康よりも外見を重視した数値。いわゆる痩せ型。

モデル体重

モデル体重= 身長(m) × 身長(m) × 18(BMI)

モデル体重とは、美容体重よりさらに健康度外視で細さを追求した数値。視聴者に身体を見せるためのプロの体型。維持するにはプロフェッショナルな取り組みが必須。

ここでいう標準体重は健康的な体重とはいえ、確かに現代的な価値観だと太めに感じるかもしれませんね。美容体重、モデル体重と推移していくと、どんどん健康からは離れ、外見重視になっていきます。

しかし、極端な完璧主義をもっている人は、このモデル体重以下に体重を減らすことのできる才能を持ってしまっているのです。それは美を超え、ただ確実に死に近づくだけの体重です。

いち男性の私の意見としては、モデル業を仕事にしていない人にとって、モデル体重は過ぎたるものだと思います。

一般人にしてみれば、完璧な体重というものは、モデル体重以下の体重ではなく、美容体重の維持ぐらいではないでしょうか。

少なくとも、モデル体重以下の体重は、美の視点から見ても、完璧から程遠い状態であると思うのです。

何を言いたいかというと、極端な完璧主義をもち、モデル体重さえ突破してしまう素質を持っている人は、事前に完璧な体重というのを決めておいてほしいということです。

麻薬のような体重減少報酬におぼれてしまわないように、自分にとって完璧な体重を事前に決める。

減らし続けることよりも、ある一定の数値を維持することの方が難しいです。

その神から与えられた完璧主義を完璧に発動し、理想の体重を決め、それを1gもずらさないように生活していく…。

摂食障害になる素質を持っている人は、そんなストイックな暮らしができる素質がある人なんだと思います。

クロダ
クロダ
完璧に痩せるためのおすすめは美容体重の維持だよ。モデル体型までいってしまうと、いつ摂食障害になってもおかしくない綱渡りの状況だから。

ダイエットを始める若い人へー終わりに

現代社会には沢山の美味しい食べ物があふれています。別に過食などしなくても、目に映る食べたいものをただ選んで食べているだけで太ってしまうような世の中です。

自分の外見が他者に与える影響は大きく、現代人にとって美容は、健康と同等かそれ以上の関心ごとであります。

摂食障害の入り口は他者の心ない一言が原因だったりすることはありますが、摂食障害になってしまったあとでは他者の価値観などどうでもよくなってしまうようです。

私自身、これまでの人生で摂食障害の人に直接お会いしたのは数人ですが、どの人も他の人の意見を全く聞き入れないような頑なさを持っていました。

摂食障害は食事に関するコントロールを失ってしまう障害です。

その病理プロセスはアルコール依存症のそれと近いかもしれません。

ダイエットによる体重減少には、ある程度を超えると、麻薬のような中毒性があるようです。

これからダイエットをしようと考えている若い人が、その中毒性を理解し、健康と美容の枠に収まるようなダイエットを目指してほしいなと思うばかりです。

 

あなたが、健康なものが発するエネルギーから美を感じられるようになりますように。

多感な凡人 黒田明彦