カウンセリング

体験的なカウンセラーの選び方

この記事はカウンセラーである私が、もし身近な人がメンタル不調を起こしたら、どのような基準でカウンセラーを紹介するかということを真剣に考えて記したものです。

あくまで私の経験に基づいた個人的な見解であることをご了承ください。

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カウンセラー選びの基本的な考え方

カウンセリング効果にもっとも影響するものは

まず私は、基本的に現存する心理療法では、カウンセラーがどのような資格を持ち、どのようなキャリアを積んでいて、どのような技術を用いても短期間での心的不適応の寛解は難しいという見通しをもっています。

私がカウンセリングに期待する効果は、不快な症状をなおす、心の癖をなおすという末端レベルの問題解決ではなく、その状況の根っこにあるパーソナリティの変容です。

そういう観点では、短期のカウンセリングで得られる効果は、正直どのカウンセラーを選んでも、あまり変わらないと思います。

パーソナリティの変容は、長期にわたる関りのなかで起こるものです。カウンセラーの技術と態度がそれを早めることはありますが、カウンセリングにおいてなによりも大事なのはカウンセラーとクライエントの関係性による影響だと思います。短期間の限られた時間で充分な信頼関係を築くことの難しさから考えても、短期で驚くような効果が得られることはまれだと考えます。

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クライエントの自己学習の進み方

たとえば目の前に神様が現れて、クライエントAさんが健全に生きていく上で、絶対に必要な真理を丁寧に告げるとします。

神様がAさんの救いには10の真理が必要だと判断したとします。

しかし、Aさんの状態が何物も2までしか受け取れない状態のときは、神様が丁寧に10の真理を与えようとしても、Aさんには2までの真理しか受け取れません

同じように、Aさんの状態が何物も3までしか受け取れない状態のときは、神様がどんなに丁寧に10の真理を与えようとしても、Aさんは3までしか受け取れないのです

たとえ、教えてくれる相手が神様であって、その内容が唯一無二の絶対真理であっても、結局人間は、今の自分の状態で受け取れるところまでしか、その内容を受け取れません。

それが自然な人間の学習の進み具合というものです。これは読書などで得られる自主学習の効果にも同じことが言えます。

どんな知識も影響も、今のその人が受け取れるところまでしか身につかない。

この辺りは対人支援の仕事をやっている人は身に染みているように思います。

大事なのは、Aさんが何物も2までしか受け取れない状態のときは、2までをしっかりと満たしてあげること、そして、そのほんの少し先、3を受け取れるようになるようにと、じっくりじっくり取り組んでいくことです。

必要なのは、10や5を与えようとする画一的な技術の上手な提供ではなく、今のその人の状態を見極め、1ずつ着実にあがっていくためのじっくりとした対応をし続けるということです。そして、いかにして、対応し続けるためのシステムをつくることができるかということです。それこそ、1上がるために、10年かかることだってあるかもしれません。

短期で素晴らしい効果が出る場合

その人のパーソナリティに根付いた癖のような思考、体感、実感、行動様式、そこから発生する種々の生きづらさは、その人がこれまでの環境から受けてしまった呪いのようなもです。カウンセリングのひとつの目的はこの呪いからの解放とも言えます。

短期で効果を出そうとする指示的なアプローチは、私に言わせれば、古い呪いの上から、新しい呪いをかけるようなものです。

もし上手くいっても短期的な効果で終わるか、悪く言えば、さらなる生きづらさを生み出しかねません。

短期で終了するカウンセリングでもっとも多い結果は、やりとりとして立派に成立していて、クライエントの満足感が高くても、パーソナリティが変容するような永続的効果は、ほとんどないというのが現実だと思います。

では、どうすればよい?

カウンセリングによってパーソナリティの変容を狙う場合は、最初からある程度長い期間関わるという想定が必要です。また、グループワークへの参加も併用しながら、主体的に自己のパーソナリティ変容のためのワークを続けていく必要があると思います。

したがって、私にとって自分の身近な人がメンタル不調を起こした場合の、カウンセラー選びの第一の基準は、少しでも長期に関わりやすくするためのシステムをそのカウンセラーが用意しているか、ということです。

どのような型のカウンセリングを選ぶか

まず、前提として私はこれまで来談者中心療法のカウンセリングアプローチを体験的に学習し続け、それに救われ、ここまで生きてくることができました。そして、来談者中心療法は、種々の指示的なカウンセリングアプローチに強烈なアンチテーゼを持っています

したがって、私のこれまでの経験は私の身近な人に指示的なカウンセリングアプローチを勧めない充分な理由となってしまいます。

また、私は、その人の状態が深刻であると判断しているときほど、指示的なカウンセリングではなく、非指示的なカウンセリングを勧めます。

カウンセラーによる、専門家選びの判断

 

自己啓発郡

自分らしさを探している、より良い暮らしを希望している、人生にさらなる充実を求めている、もっと満足感がほしい、等

身近な人が、日常は問題なく過ごせているのだが、日々に充足感が足りない、もっと心地よく暮らしていきたい、など現状に満足していない様子が見られるとき。

私の判断と対応

面白そうな啓発本があったら教える。

カウンセリングレベルのアプローチは必要ないと考えるので、心理アドバイザーなどを頼ろうとしていても特にとめない。

せいぜい高額な啓発セミナーに引っかからないように注意したいが、本人が望むならまぁ、それも止めない。(お財布関係上、明らかに無茶な場合は、止めたくなるだろうが。)

自分の得意分野に関することは、いろいろと気軽に教えることもあるだろう。

結論

誰のどのサービスをどう選んでもよいし、別に選ばなくてもよい。

 

神経症群

自己同一性の問題、強い生きづらさ、抑うつ感、深刻な家族ストレス、迫られる精神の成長の必要性、アダルトチルドレン、発達障害の一部、等

日常生活に支障が出ているほどの生きづらさはあるが、なんとか世間様に隠すこともできるというレベル。また、積極的に専門家を頼る勇気や労力を天秤にかけてしまうと、悩む余地がある状態。この郡がカウンセリングの得意ゾーンであると思う一方、専門家に頼ることを一番迷う群だと思う。

私の判断と対応

本人の心情としては自分だけでなんとかしたいところだろう。

身近なものである私の立場としても迷うところだが、この状態のときに、専門家を頼れるかどうかが本人の人生の岐路であるように思う。

この郡の症状は、本人の年齢が高くなればなるほど、症状が緩和する見込みもある。単純に老化によって本人の感性が鈍くなり、症状が楽になるのである。

そうなるまで必死に我慢して、しのぐような毎日をおくるのか、それとも勇気と労力をもって積極的に症状の改善を目指す毎日をおくるのか。その判断は本人の自覚している症状のつらさ、そして身近なものである私の感じるつらさの度合いにもよるだろう。

こういうとき、本人もしくは、身近な人に、頼りたくなるような専門家がすでに見えていると強い。利用する、しないに限らず、この人なら頼りたい、なんとかしてもらえるかもしれないという期待感のある専門家を探すことは大事なことのように思う。

たとえば本人が頼りたい専門家を見つけ、その人が身近な私にとって信頼できない対象だったら地獄である。しかし、その逆、私が見つけた信頼できる専門家を本人が信頼できないままに利用させられるという地獄よりは幾分マシであろう。

ちなみにこの郡に発達障害の一部をあげたのは、発達障害は基本的に精神科医療の対象ではないからである。苦しい末端症状を精神科で処方される薬で抑えてもらうことは必要であるが、病院はそれ以上のことはほとんどしてくれない。

発達障害を持った人が、自分の特徴の自覚を深め、精神的に成長し、社会に適応していくための支援は現代では福祉機関が行うことが妥当であると思うが、カウンセリングアプローチが担える部分も多分にあるように思う。

結論

状況に応じて専門家を頼る必要性を説き、本人が自分で選ぶ専門家に継続的に頼ってもらう。

 

精神障害群

統合失調症、気分障害、解離性障害、摂食障害、強迫性障害、各種依存症、パニック障害、自傷、DV、等

この郡は基本的に精神科のお世話になる群である。

私の判断と対応

主要な精神障害の傾向が見られる場合は、まずは精神科に通ってもらい、末端の強い症状を薬で抑えるというのが最優先である。

できるだけ本人の心的負担にならないように、なんとか通院を説得できないだろうかと頭をひねる。

最初は、身近なものだけで医療に相談に行くのも良い。

薬で急性的な症状が落ち着いた後は、状況によってデイケアに通ってもらったり、福祉施設を利用してもらったりしながら、徐々に社会に適応するための準備を整えていく。

医師の方針によってはカウンセリングが提案されることもある。

自傷やDVは微妙なところだが、肉体にダメージが残る症状を発見してしまった場合は、私なら精神科受診を促す。本人は行きたがらないだろうが、その状態に至っている場合、本人が抱えている精神的苦痛は、目に見えている肉体のダメージとは比較にならないほど深刻な状態であると判断する。カウンセリングよりもまず、薬の助けを期待したい。

精神科のお世話になったら、本人の治療の中心は精神科医が処方する薬になる。精神科医の方針次第によっては、その時点で他の専門家の出番はほとんどなくなる。できるだけ通院同行をし、医師の意向を確認したほうが良いだろう。

結論

精神障害が疑われる場合は、まずは精神科に行くことを勧めるが、通院後は何もかもDr次第になってしまいがちなので、病院選び、Dr選びは情報収集のもと慎重にやる。特に依存症や、摂食障害は薬だけではどうにもならないので、専門的に診てくれる病院を選んだほうがいい。

カウンセラーの選び方まとめ

心的不適応の苦しい症状を本質的に消失させるためには、パーソナリティの変容が必要だと思います。そしてそれには長い期間を要します。あくまでカウンセリングによる改善を狙うのであれば、長期利用することを前提に場所と費用を優先的に検討するべきだと思います。

その後にカウンセラーという役割の人間を選ぶわけですが、不特定多数の顔の見えていないカウンセラーの中から、資格権威で選ぶのであれば今なら、臨床心理士か公認心理師を選ぶのがよいでしょう。それが無難です。また、カウンセリングに心理医療的観点を強く求めるのであれば、医師のいる病院の中で受けたほうが良いです。

ただ、病院の保険診療で受けられるカウンセリングはかなり限定的なものなので、本格的に取り組もうとする場合は病院でも、民間機関でも同程度の費用がかかってしまいます

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もし、資格権威にこだわらず、また心理医療的な観点をそこまで求めるのではないのであれば、是非、私を含め、情報を発信している数多のカウンセラーの中から、これはという人を自分で見つけ、選んでほしいと思います。

私はカウンセリングを心理医療的な観点ではなく、心理学習的な観点でとらえています。

本格的なパーソナリティの変容を目指すのに必要なのは、一時的な受け身の処置ではなく、継続的で積極的な学習です。

その学習の長期のパートナーになるかもしれない人を是非広い視野で、自分自身の手で探してほしいと思うのです。

 

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