カウンセリング

カウンセリング学習の影響力

今回の記事は私のカウンセリング学習体験を振り返り、その影響力について書いてみようと思います。

私自身は、クライエントとしてカウンセリングを継続的に受けた経験はありませんが、カウンセリングを学ぶプロセスの中で充分なクライエント体験をすることができました。

現代では、まだ、様々な機関、様々なプロセスでカウンセリングの資格を取得でき、カウンセラーを名乗ることができますが、そのプロセスの中にどれだけ濃密なクライエント経験があるかということは大事なことのように思います。

私のいうところでのカウンセリングの学習とは、単純な面接技法の学習を指すのではありません。それは社会の中で機能する人間になるための学習です。

そのあたりのところに興味があるかたは読んでみてください。

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私が体験してきたカウンセリング学習

私は20歳の頃からカウンセリングの学習を続けてきました。

私が体験してきたカウンセリング学習は、カウンセリング面接のための技術を習得するための学習ではなく、人間である、この私自身が生きやすくなるための学習です。

ですから、資格取得のためのプロセスが終了すれば、学習も終わるというようなものではありません。

生きている限り、苦しみや、苦難は続いていき、その度に学習の機会は生まれますから、カウンセリングの学習が終わることはないのです。

そして生きるための学習は「聞かせていただける人になる学習」に集約されています。

私にとって生きるということは、カウンセラーになるということそのものなのです。

この辺りの感覚はカウンセリング学習会に継続して参加している人には共通していると思います。

みんな、聞かせていただける人になりたくて学習を続けている。その方向に救いがあることを体験している人たちということですね。

私が体験してきたカウンセリング学習の環境

私が参加してきた学習のグループの年齢層は50代以上の女性がほとんどで、たまに40代~60代の男性が一人加わるかどうかという感じのグループでした。

そして、その中に、いつもポツンとひとりで若い男性である私が紛れ込んでいる感じでした。

同年代の人が学習会に参加する割合は体感1%未満です。まぁ、簡単に言うと場違いを感じるような環境だったと思います。

それでも私は、初めてカウンセリングの学習会に参加して以降、学習を続けることが当たり前のことになっています。

この学習が誰よりもこの私にこそ必要であると確信を持ちながら学習していました。

この学習は私が生きるのに必要だったのです。

カウンセリングを受けること、カウンセリングの学習をすること

私のカウンセリング学習の最もコアな部分は、このカウンセリング学習グループの先生である、O先生とのやりとりです。

私が一番不安定で、私が一番苦しんでいた時、私にとって一番変化が必要だった時、そして私が一番クライエントになる必要があると同時に、どうしてもクライエントになりたくなかった時に、私を救ってくれたのは、いつもエンカウンターグループにおけるO先生の言葉と態度でした。

私はO先生に一対一のカウンセリングをしてもらったことはありません。

O先生とのやりとりのすべては、エンカウンターグループなど、グループ学習の場でのやりとりです。

エンカウンターグループの場でO先生に自分の語ったところを聞いてもらう、理解してもらう、そして、自分の居所のちょっとだけ先を示してもらうようなやりとりは、とてつもなく優しく、刺激的で、ときに厳しかったです。

他の誰にわかってもらえなくても、O先生にはわかってもらえるだろう。そういう信頼のもとに、私はグループの中で自分の感性のままに語ることができました。

そして、グループの中で、その他の参加者とO先生の関りを見て、聞いて、感じることも非常に私に影響を与えました。

私の感覚はグループと一体になっていたようです。

私は、他者と先生がやり取りをしているときでも、「いろんな私」を先生に聞いてもらっていた感覚でした。

だからもしかしたら、一対一のカウンセリングをO先生にやってもらう以上に、私への影響は大きかったかもしれません。

病者になりたくなかった私

当時の私は自分の病的な不安定さを感じながら、それが認められませんでした。自分が精神的な病気だと思いたくなかった。

ですから、苦しい思いをしながらも、病院に行くとか、自分がカウンセリングを受けるとかそういう発想を拒絶していました。

自分の力で自分をなんとかしたい、変わりたいと切実に思っていた。

そんな思いで飛び込んだカウンセリング学習の世界ですが、カウンセリングの学習をしていくうちに、私の不安定さは劇的に改善していきました。

私は誰にも、病者、カウンセリングを受ける必要のあるクライエントであると認定されることなしに、ただ学習を進めることで、治っていくことができたのです。

ただこれは、私が飛び込んだグループがたまたまO先生のグループだったことが大きかったと思います。

その他の先生のグループだったら、今の私はないだろうなと思っています。

カウンセリング学習ーO先生の思想

O先生は基本的にはカール・ロジャーズをベースにしたカウンセリングの思想を持っていますが、東洋思想に関心が強く、特に親鸞などの仏教への関心、理解が相当に深い人です。

学習会では仏教用語が飛び交うことがあります。当初私は、仏教的な表現というだけで毛嫌いしていましたが、O先生の言葉は、ひとつひとつがとても現実的で、身体に響き、時に私を刺激し、時に私を安心させるなど、影響力の強いものばかりでした。

世に一般的に認知されている仏教と、先生が体験的に学んでいる仏教は別であると理解することが私にとって自然な流れでした。

私に影響を与えたカウンセリング学習の簡単なまとめ

エンカウンターグループへの参加

エンカウンターグループ、それは・・・。

自由な場所、刺激的な場所、生まれる場所、変わる場所、純粋な場所、そして私にとっては長い間、O先生に会いにいくための場所でした。

私のカウンセリング学習のベースになっているのがこのエンカウンターグループにおける体験です。

教科書、ノート、鉛筆、暗記。

カウンセリング学習にはそんなものほとんど必要ありません。人との直接的なやり取りから、体験的に学ぶ。それの繰り返しです。

エンカウンターグループには私のカウンセリング体験のほとんどが詰まっています。

皆の前で、O先生の前で、語り、聞いてもらう。そして受け止めてもらう。理解してらもう。

そして、次第に誰かが語るところを聞かせていただくようになり、受け止めるようになっていく。

何も強制されず、他の参加者や、先生の言葉に触発されながら、自らの意志で、自らのペースで学んでいく体験学習です。

そして深めていくのは、ただ自分自身のところ。カウンセリング学習は、ただ自分のための学習です。

カウンセリング面接の技術は、その一端にすぎません。

カウンセリングマインドについてのレポート作成

エンカウンターグループが終わった後にはレポートを作成します。これは資格取得を目指す場合に必要だから作成するという感じです。

私はO先生に自分の発見や、考えを知ってもらいたくて、受け止めてもらいたくて、一生懸命書いていましたね。

書式などは特に指定がないので本当に自由に書かせてもらいました。

経験から言って、文章上達のコツは、枠にとらわれず、自由に書くことを繰り返すところから始めることだと思います。

そして、いかに自分のままに表現できているかということを突き詰めていくことだと思います。

そうすることで、自分で自分の文章を大事にするようになり、次第に自分で自分の文章が読めるようになってきます。

自分で自分の文章が読めるようになってくると、文法というものに従うことが大事だということに自然と気が付くこともできます。

カウンセリング資格取得の関係で、いくつかの学科レポート(体験談や読書感想文)も作成しましたが、単位を取るために必要だからやったという感じで、あまり私の人生に大きな影響を与えてはいません。

ただ、書いたものが認められて単位が取得できた時は、やっぱりホッとしましたね。

ロールプレイ学習・逐語録作成

ロールプレイ学習とは、実際にクライエント役の人に語ってもらい、自分がカウンセラー役として、応答をする学習です。

エンカウンターグループでは、語る人(クライエント)聞く人(カウンセラー)が自然に生まれ、目まぐるしく入れ替わっていきますが、ロールプレイは最初に役割を固定して行います。

そして、ロールプレイ学習のミソは、10分間のやりとりを録音し、それを逐語録に起こすということです。

逐語録とは?

カウンセリング面接の場面を録音し、録音されている音すべてを文字に起こした記録。

カウンセラー、クライエントの声になった言葉はもちろん、咳払いや、物音、カラスがカーッと鳴いたらそれも書かなくてはならない。

ありのままの現実(録音されているすべての音)を文字に起こすという学習記録。

これが非常に学習になります。

自分の応答がはっきりとした形で残り、何度でも確認できてしまうので、ある意味エグイ現実を突きつけられます。

自分が普段どれだけ思い込みの世界を生きているかということを思い知らされます。

私が衝撃を受けた体験は、私の録音された面接場面を聞いてみると、全くもって聞き覚えのないクライエントの発言があったということです。

実際にクライエントの言葉は録音されているのに、面接時、カウンセラー役の私は、それを綺麗に聞き落としている。そして、録音を聞くまで、クライエントのその言葉の存在に全く気付かなかった。

これは、私が聞き落とした言葉は、私の世界では無かったことになってしまうということです。

この事実に気が付いた時には衝撃を受けました。私はこれまで、どれだけの言葉を聞き落としてきているのだろう。どれほどの言葉が聞こえていなかったのだろう。怖くなりました。

そして、私には自覚できない聞き落としがあるのだということが体験的に理解でき、想定することができるようになりました。

これは、逐語録を作成しなければ、達成できなかった理解です。

誰かに聞き落としたよ?って指摘されたとしても、その相手を疑うことができてしまうので、納得するのは難しいからです。

カウンセリング学習の影響ー終わりに

今回の記事は私のカウンセリング学習のプロセスと影響について書いてみました。

私はカウンセリング学習は楽しいものだと感じています。

それは、この学習が自分自身の成長に直接つながり、自分自身の生きやすさに直接つながり、自分自身の生きがいに直接つながっていると実感しているからです。

カウンセリング学習は、自分以外の誰かを、どうにかするための方法を学ぶための学習ではありません。

私には、この辺りの体験をどうにかして伝え残していきたいという感じがあるのです。

そしてそんな学習が自分に必要だと思える人と、沢山であっていきたいのです。

自分のための学習の積み重ねは、結局は自分の周りの人のためにもなっていきます。

自利、利他円満。

O先生から教えてもらった、私の好きな言葉です。

 

私が届ける、色々の言葉から、カウンセリング学習に興味を持つ人が増えることを願っています。

カウンセラー 黒田明彦

 

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