体感と実感

体感とは

1、体感の意味

1 からだで感じること。また、からだが受ける感じ。
2 皮膚や内臓の諸器官に加えられた刺激による感覚。暑さ・寒さ・痛み・飢え・渇き・性欲・吐きけなどの感覚。有機感覚。

2、体感の細かな分類

a、体性感覚

体性感覚表在感と、深部感覚に分かれる。

表在感覚

触覚触れた感じ)、温覚・冷覚(暖かさ、冷たさ)、痛覚(痛さ)、食感、くすぐったさなど、体の表面で感じる感覚。

深部感覚

運動覚(関節の角度など)、圧覚(押さえられた感じ)、深部痛(体の内部的な痛み)振動覚など、体の表面にとどまらず、深部まで響く感覚。

 

b、内臓感覚

内臓に分布した神経で、内臓の状態(動き、炎症の有無など)を神経活動の情報として感知し、脳で処理する仕組みのこと。臓器感覚(満腹感、空腹感、渇き、尿意、息苦しさ、吐き気など)、内臓痛など。

皮膚よりも神経支配が少ないため、どこが刺激されているかという感覚(触覚)はほとんど起こらない。

筆者が盲腸になった時、最初は胃の辺りが少し重いという感覚から始まって、痛みが鋭くなるにつれ、やっと盲腸のある付近に痛みを感じるようになった。盲腸ほどの激痛でも、最初はどこが痛いのかいまいちわからなかったのである。

 

c、特殊感覚

視覚(目で見る)、聴覚(耳で聞く)、味覚嗅覚、前庭感覚(平衡感覚)がある。

目で見る

視覚:光を網膜の細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。感覚器細胞の違い(桿体かんたい細胞、錐体細胞)から、明暗感覚の光覚と色彩感覚の色覚に分けることがある。

耳で聞く

聴覚:音波を内耳の有毛細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。

舌で味わう

味覚:食べ物に含まれる化学物質(水溶性物質)の情報を、舌、咽頭、喉頭蓋などの味覚細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。

鼻で嗅ぐ

嗅覚:鼻腔の奥にある嗅細胞で、空気中の化学物質(揮発性物質)情報を神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。

三半規管で保つ

前庭感覚・平衡感覚:内耳の半規管などで、頭部の傾き、動き(加速度)などを神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。

d、その他の感覚
固有感覚(運動感覚)

固有感覚とは、体の様々な部位の位置する場所がわかるという感覚。

什痒感

「痒み」の感覚。

いわゆる第六感は、五感にあてはまらない超越した感覚という意味だが、これは勘や直観といった心理的な動きを感覚で比喩したものであり、通常は感覚に含めない。

3、体感と痛み、痒み

体感の中で、我慢のしようのない激しいものに、痛みと痒みがあるだろう。

痛みはほとんどの先進国において、医師受診の一番の理由である。痛みは多くの病状において重大な症状であり、日常生活に大きな支障を与える。多くのケースでは単に鎮痛薬を用いることが有用である。社会的支援、催眠、興奮、気晴らしなどの心理的要因によって、痛みが大きく軽減するという例もある。

慢性的な痛みを持つ人の60%以上が痛みを我慢しながら生活しているというデータもあるが、痛みと向き合って、早期治療をすることが大事である。

痛みの意義については、外からの危害を避けるための無意識的な反射活動と捉えられている。痛みと向き合うように動くことが身体からのサインを受け取った行動になるということだろう。

一方痒みも、従来は痛みと同様の反応であり、それの弱いものと捉えられていた。しかし2009年、痒みが痛みとは別の回路を持った感覚であることが発見された

痒みに対して掻くことで症状を一層悪化させることがあり、身体に危機を発する痛みと異なり、痒みの意義については諸説あるようだが、現代医学をもってしても、不明である

★気圧と体感

「低気圧が近づくと頭が痛い」

このように、天気によって引き起こされる体調不良は「気象病」と呼ばれ、決して気のせいではない。

1、気圧が変化すると、人間の体はストレスを感じる

2、それに抵抗しようとして自律神経が活性化される。

3、自律神経系には、交感神経と副交感神経があり、この交感神経と副交感神経の調整がうまくいかないと、さまざまな体調不良の原因となってしまう。低気圧からくる片頭痛は、副交感神経優位時の血管拡張が原因

4、体感と自己構造の関係

人間は成長の過程で自由に体感を自覚できなくなってしまうことがある

人間は成長の過程で、主に身近な人との人間関係においての相互的で評価的な価値づけにより、自己構造という、自己統制システムを形成する。

この自己統制システムが、現在の環境の中で生きていくために脅威と判断した体感は、自分のものとして経験されなくなってしまう

例)私は弟をポカポカ叩くと、自分の優位性を示すことができ、満足である。 (純粋な体感)

母に怒られる弟をたたく私は悪い私である。悪い私は母に愛されない。私は母に愛されなくてはならない。私は弟を叩くことに満足しない。(母の価値観が投射された体験)

上記の例は、躾として成功している例であるように思う。

しかし、これと同じメカニズムによって人間が健やかに生きていく上で重要な体感でさえ、今を生きていくための脅威とみなされ、純粋に体感できなくなってしまう状況は往々にしてあるようである。

カウンセリングを受けて、それまで脅威として感じられ、自分の経験として認められなかった体感が、自分の当たり前の経験として実感され、受け入れられるとき、世界の色の見え方、匂いの仕方すら変わるような劇的な変化が起こることもあるようである。

5、体感と思考

a、思考の意味とイメージ

思考は、考えや思いを巡らせる行動であり、結論を導き出す筋道や方法などを模索する精神の活動である。その際、心に色々なイメージを浮かべる行動を通じて、それらの関係を構築する作業である。

イメージには五感で受け取ったもの(知覚心像)と、それらを脳内で再構成したもの(記憶心像)があり、この2種類のイメージを使って、判断に至る作業を行う。

思考は、対象について多角的なアプローチが行われつつ検討が繰り返されるため、漸進的でありかつ累積的に進むところを特徴とする。

1、思考とは、イメージを使って、結論を導き出す方法。

2、イメージには五感によるものと、記憶によるものがある。

3、思考は徐々に積み重なって進んでいくもの。

b、機能する人間の思考

現在により良く機能する人間の思考は、今ここの五感で受け取った感覚によりつくられたイメージと、過去の記憶、知識に基づいたイメージのバランスがとれた思考である。前者はどちらかというと直感的思考とも言え、後者はどちらかというと科学的思考とも言える。

筆者は基本的には五感で受け取ったイメージが優位であるほうが、日々の課題を健全に乗り切ることができるのではないかと考えている。現場現場に起きる出来事に敏感に反応、正確に状況をとらえるには、過去どうであったかということよりも、今どうであるかということのほうが大事である。

今、ここの五感の感覚に敏感な人間は、思考においても常に新鮮なイメージを得ることができ適切な判断ができるように思う。記憶イメージはどちらかというと防衛的な役割が主なところではないだろうか。

科学的技術が席巻する現代の日常では、今ここの感覚よりも、積み重なった過去の記憶の方が確かであるという価値観が優位になってしまうのも自然なことのように思う。

しかし、体感よりも知識、情報がものをいう時代はとっくに飽和しているようにも見える。

カウンセリングという関りがずっと目指してきている方向性のひとつは、その人間が今、ここの感覚の敏感さを取り戻していくことである

それは過去の囚われから抜け出して、この今に最大限に機能する人間になるための道でもある。

これからの時代に活躍していける人間というのは、そういう思考をもった人間ではないだろうか。

 

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