感受性が強い・繊細

傷つきやすい男性の6つの体験的理解

今回の記事は男性のメンタルについて絞って書いてみました。傷つきやすいという自覚を持つ男性にはどのような理由があるのでしょうか。

また、男性ならではの傷つきやすさがあるのかということも検討してみました。自分自身の傷つきやすさに悩む男性、または身近な傷つきやすい男性を支えている女性、是非読んでみてください。

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傷つきやすい男性の体験的理解1.男性として求められるものと、自分らしさの混同

社会から男性として当たり前のように求められる特徴というものはいくつかあるようですが、それらの特徴は時代とともに移り変わっていくものです。

そして大事なことは、それらは社会にとって都合の良い男性としての特徴であり、男性ひとりひとりの人間としての自分らしさとは一致するものではないということです。

男性として求められる特徴

力強さ、冷静さ、行動力、判断力、頑丈さ、責任感、自信、優しさ等

男性として社会から求められる特徴を自分にとって、なくてはならない特徴と思い込んでしまったり、自分は男性だからこういう特徴をもっている、というように信じ込んでしまうと、心は弾力を失い、傷つきやすくなってしまいます。

その時代の男性として求められている特徴と、自分の特徴が区別できていないと傷つきやすくなる。

傷つきやすい男性の体験的理解2.女性の男らしさへの見線の厳しさ

傷つきやすい男性というワードで検索して上位に上がってくる女性目線の記事は、男性に対しての要求が硬く、表現が辛辣なものが多いです。

女性から見た男性のあるべき特徴というものは、女性目線の理想の保護者像の投影であることが多いです。(逆もまた然りですが)

感情探偵
感情探偵
男なんだから!男のくせに!という男性優位の価値観が見え隠れしている感じだね。

この理想的な男性像を一般的に必要な男性像ととらえ、それに当てはまらなければ、男らしくないという思考に陥っている男性は柔軟性に欠き、傷つきやすいです。

また、「男らしい人が好み」と言う女性に「具体的にはどんな人ですか?」と質問すると、千差万別な答えが返ってきたと書いてある雑誌の記事もあります。

日本では男性自身が思っているよりも、万人が認めるような男らしさの概念が確立されているわけではないというのが実際のようです。

傷つきやすい男性の体験的理解3.傷つきやすさに性別差はあるのか?

男性だから丈夫、鈍い、女性だから繊細、鋭いという大雑把な仕分けの仕方は妥当なのでしょうか?

男性と女性で身体の仕組みが違うことは大きな事実ですが、脳のはたらきに関しては、男女の平均差よりもそれぞれの人間の個人差の方が極めて大きいというデータもあるようです。

ただし、自死率は女性に比べて男性の方が2倍以上に高いということが統計上はっきりしています。

これはどういうことでしょうか?その根拠は諸説ありますが、私は、男性が社会に常に強さを求められてきたことが関係していると思っています。

歴史的に男性には強さと硬さを必要とする役割が与えられてきました。

そして逆説的ですが、その役割に応えられる条件が揃ってしまっている人ほど…、要は社会的に男性的である人ほど脆いようなのです。

社会的な男性としての自分の役割、存在意義、その辺りの価値観がそれまでの人生で偏ってしまうと、それを失ったときに、すべてを失ってしまうことになってしまいます。

クロダ
クロダ
たとえば男性は仕事をちゃんとして、経済力さえ提供できれば、誰にでも認められる。その思考に疑いようがなければ、ないほど、それを失ったとき、自分自身の存在意義を失ってしまうんだね。

そう考えると、それまでの人生で、自身の男性らしさをまわりから肯定、強化されてこなかった人のほうが、自分自身の多様性の必要性を突き付けられてきており、柔軟な価値観を身につけているのかもしれません。

ちなみに・・・、女性は男性の2倍うつ病になりやすいです。これは、思春期における女性ホルモンの増加、妊娠・出産など女性に特有の危険因子や男女の社会的役割の格差などの理由があげられるそうです。

傷つきやすい男性の体験的理解4.男らしさは心の不一致を生み出しやすい

社会や、身近な人間が求める男らしさに従って生きていくと、心と体験の不一致が多くなってしまいます。

男性にも感受性の強い人はいます。感受性の強さは、体質的なもので、自分の意志でどうすることもできません。感受性が強ければ刺激への反応はどうしても大きくなってしまいます。

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しかし、強く一定の価値観を押し付けられる環境に育つと、自分の自然な感情体験を抑圧してしまう癖がついてしまいます。

たとえば男らしさを強く求められる環境に育つと、好ましい感情というものを他者に決められて育ってしまうのです。これはまさに感情労働です。

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心と体験の不一致があると?

心と体験の不一致がある状態は、傷つきやすい状態だと言えます。

人は自分の体験を抑圧し、自覚できなくなってしまうと基本的な不安感が高まってしまうのです。

保持はしているのに、実感することのできない体感があると、そこからプレッシャーを感じ、その体感が意識に上がって来そうになると恐怖や不安を感じます。

今、ここでの体験以上に、保持はしているが実感はできない体感にいつも脅かされている状態なのです。

たとえば、私は屈強な男性であるという自己意識が育っていると、悲しい気持ち、か細い気持ちなどを体験していても、それが意識にあがってくることを許せなくなります

つまり、自分の経験の一部が自分の経験の一部として感じられなくなってしまうのです。

これらは、本来の感受性以上に、傷つきやすさや、場にそぐわない過剰な反応を生んでしまう原因となります。

傷つきやすい男性の体験的理解5.男性としてのプライド

「強くなければいけない」といった男性への社会的価値観の投影。

この社会的投影にも後押しされ、それまでの人生で他者に対して強さを見せられる場面が多かった男性ほど、セルフイメージが強く固まってしまいます。

強さの認識とは、優位性の認識です。

たとえば男性は女性に優しくしなくてはならない。これには、男性が女性より優位であるという価値観が根底にあります。

異性や同性の他者に対する優位性に浸って生きてきてしまうと、その優位性が保持できなくなったときに、自分の存在価値が大きく揺らいでしまいます。

優位であることが当たり前の状況で培われてきた精神は脆くなります。

プライドが高いということは、この優位性に固執していることであり、プライドを捨てるということは、この優位性の認識をあらためるということです。

しかし、それまで当たり前のように頼ってきた優位性を捨てるということは、並々ならない覚悟のいることです。

傷つきやすい男性の体験的理解6.傷つきやすさは思い込みやすさか?

人間はそれぞれ思い込みの世界を生きています。自分という存在を含め、確かな存在があるかどうかなど、確かめようがありません。

ひとつひとつの出来事が自分の思い込みでできていることは当たり前のことなのです。

思い込みによって傷つきやすい人というのは、思い込みをしすぎてしまう人ではなく、思い込みに対する疑いと自覚が少ない人だと言えます。

常日頃から、自分も他人も思い込みの世界を生きているのだと自覚して生きていきましょう。

そうすれば、少なくとも他人や自分に裏切られるというようなことで、とても傷ついてしまうような経験は、ほとんどなくなっていきます。

傷つきやすい男性の体験的理解.終わりに

傷つきやすい男性の理由についてここまで考えてきました。

歴史的にみると男性は、自分の生命よりも、名誉を重んじること、名誉のためなら生命を捨てること、それが常識であり、美徳であった時代もあるくらいなようです。

なんだか、男性の自死率の高さを慮ってしまいますね。

私個人としては体格に恵まれなかったこともあって、男性的な優位性に頼って生きてくることができませんでした。

しかし、今になってやっと思えることは、その優位性がなかったからこそ培われてきた精神がありそうだということです。

強くあれなかったからこそ身につけてきた知恵がある。誰かがそれを言うのは簡単ですが、私がそれを自覚し、肯定するには、強くあれる人の脆さを知る必要があったということですね。

なんか、ここにきて初めて、小さな身体と繊細な心で生まれてきたメリットを実感したのでした。

 

優位性は脆さを育み、劣位性はしなやかさを育む。

人生何があるかわかりませんね。

多感な凡人 黒田明彦

 

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