自他の区別、生命の言葉、そして心と魂のふれあい。
私にしてみれば、このあたりは非常に現実的な感覚です。
今回の記事は説明的ではなく、感性のままに書いてみました。
言葉をわかるのではなく、言葉から感じる文章。
この文章にでてくる「あなた」とは特定の誰かのことではなく、私以外の人間を指す言葉です。
もちろんこの文章を読んでいるあなたでもあり、私の頭の中に思い描ける全ての人間のことでもあります。
興味のある方は読んでみてください。
【心と魂にふれる方法】私は私、あなたはあなた

私の思う私は、私。
あなたの思うあなたは、あなた。
それでは、私の思うあなたは、私でしょうか?あなたでしょうか?
これは、自他の世界を分けるための非常に大事な問いです。
これが感覚的にわからないと、誰かの心や魂に本当の意味でふるれることはできないという事実に出会うことが難しい。
見えない私
私に見えているあなたは、私です。
あなたに見えている私はあなたです。
私に見えているのは、純粋なあなたではない。
あなたに見えているのは、純粋な私ではない。
私は、私の見えようでしかあなたを見れない。
あなたは、あなたの見えようでしか私を見れない。
そして、私もあなたも、自分のことは見えない。
私は、自分でも私が見えず、あなたにも純粋な私を見てもらえないから、不安になれるのです。
あなたはどこにいるの?
私の思うあなたも私で、私に見えているあなたも私。
私はどうすればあなたに会えるのでしょう?
直接ふれてみればよいのでしょうか。
あなたの腕にふれてみれば、私はあなたの体温を感じることができる。
しかし、それだって私は、私の体温の感じ方に出会っているだけであって、あなたの体温に直接出会えているわけではない気がするのです。
私は、あなたに会うことはできないのでしょうか。
あなたはどこにいるのでしょうか。
どこを探せばあなたに会えるのでしょうか。
どうすれば、あなたに出会うことができるのでしょうか。
【心と魂にふれる方法】私たちの心と魂はふれあうことはできない

私はあなたに出会いたいし。
私はあなたに私に出会ってほしい。
だけど、それは不可能なようです。
それはとても悲しいことですが、事実なのです。
他人との穏やかな関わりにより、心安らぐことはあっても、私たちの心と魂は、物理的にふれあうことはできていない。
その事実に気が付かぬままに死んでいくことは、幸せなのでしょうか。
その事実に気が付くことこそ幸せなのでしょうか。
断絶している世界
私たちの心と魂はふれあうことはできない。
これは事実です。
私の身体と感覚を離れられない私は、あなたの心と魂にふれることはできない。
私はあなたにはなれないし、あなたは私にはなれない。
世界は断絶している。
しかし、たった一つだけ、私はあなたと同じになれるところがある。
それがあなたの声にした言葉の相(すがた)です。
言葉の相(すがた)は同じになれる
私たちは、言葉の相(すがた)を同じにすることによって、あたかも心と魂が直接ふれあうことができているかのような感覚を持つことができます。
私はあなたにはなれないが、私はあなたが声にした言葉の相(すがた)にはなれる。
私の力ではあなたの心と魂にふれることはできなくても、私の声になった言葉は、私の力を超えて、あなたの心と魂にふれていく。
私は、私があなたの声にした言葉の相(すがた)に、私がそのままなったときの、あなたの笑顔や鼓動を見て、聞いてそれを確認する。
私がふれられないものに、言葉がふれてくれる。
人の心と魂にふれられるのは、ただ、言葉だけです。
【心と魂にふれる方法】言葉は見えないものにふれる

言葉がなければ、私たちは、見えないもの、形のないものにはふれられない。
見えないものを形作るもの。
見えないけど確かにあるものを姿にしてくれるもの。
それが言葉の相(すがた)です。
私たちが普段何気なく声にしている言葉は、心と魂にふれています。
心と魂にふれている言葉を、私は生命の言葉と呼んでいるのです。
私は、あなたの心と魂にふれることはできませんが、生命の言葉は、あなたの心にも魂にもふれられます。
だから、私は、あなたの心と魂に一番近い、あなたが声にした言葉の相(すがた)をそのまま声にして、言葉にあなたの心と魂を撫でてもらおうとするのです。
私にはできなくても、言葉ならそれができるから。
愛したいから
私は、あなたを大事にしたいから。
私は、あなたを元気にしたいから。
あなたの生命を抱きしめるように、私は、あなたの言葉の相(すがた)をそのまま、声にするのです。
私は、あなたが好きだから。
私は、あなたを愛したいから。
【心と魂にふれる方法】おわりに

本気で相手のことを大事に思うのなら、本気で相手のことを愛したいのなら、相手の声になった言葉の相(すがた)に、あなたもなってみましょう。
相手は、たった独りで、暗闇の中を、目をつぶりながら歩いています。
その目を開かせ、そして、暗闇を照らす一筋の光になるのは、あなたの声になった相手の言葉なのです。
あたかも心や魂にふれるかのような、言葉の相(すがた)のやり取りが、あなたと、あなたを取り巻くすべての人を幸せにしますように。
学習者 黒田明彦