感情

感情の種類について

感情の種類について、感情を表す言葉の意味をまとめ、感情体験・感情感覚について独自の考察をしてみました。

1、感情を表す言葉の意味一覧

安心、不安

安心は、気掛かりな事が無く、心が落ち着き安んじる感情。不安はその逆。

感謝

親切を受けた者がありがたみを表す感情。

驚愕

動物が予期しない事象を体験したときに起こる瞬間的な感情。

興奮

精神が高揚すること。

好奇心

物事を探求しようとする根源的な心。自発的な調査・学習や物事の本質を研究するといった知的活動の根源となる感情。

冷静

慌てず、落ち着いていること。

焦燥

いらいらして焦ること。

不思議

思うことや、議することが、できないこと。

困惑

どうしたら良いのか分からず困ること。

幸福、幸運

心が満ち足りていること。

リラックス、緊張

リラックスは体や心が張り詰めた状態にないこと。緊張はその逆。

名誉感情

本人の自己に対して有している価値意識や感情。

尊敬

すぐれた人に敬意や崇高の念を感じること。

親近感

自分と似た境遇・状態の相手や共通の趣味・主義主張などをもつ他者に対し実際には身近な関係でなくてもその相手が自分と身近な存在であると認識・錯覚すること。

憧憬

あこがれの気持ち。

欲望

何かを欲しいと思うことや、そう感じている状態。

恐怖

こわいと思うことやその気持ち。

勇気

恐怖、不安、躊躇、あるいは恥ずかしいなどと感じる事を恐れずに(自分の信念を貫き)向かっていく積極的で強い心意気のこと。

快、快感

気持ち良いと感じること。

後悔

後になって自分のしたことやしなかったことを悔やむこと。

満足、不満

満足は物事が思うようになり、気分のよい様子。不満はその逆。

無念

くやしいこと。 また、そのさま。

嫌悪

憎み嫌うこと。

羞恥

恥ずかしいと思うこと。自己の肉体的あるいは精神的欠陥が他人の注意の対象になっていると気づくときに出現する根源的感情。

軽蔑

他者を侮り、蔑み、馬鹿にしたり、罵ったり、ないがしろにすること。

羨望

自分以外の誰かが望ましいよいものをわがものとしていて、それを楽しんでいることに対する怒りの感情であり、二者関係に基づいている。

嫉妬

三者関係で自分が愛する対象が別の存在に心を寄せることを怖れ、その存在をねたみ憎む感情。

罪悪感

自身の行動・指向・在り様などに関して、罪がある、あるいは悪いことをした、している、と感じる嫌悪の感情のこと。

殺意

殺そうという意思。

シャーデンフロイデ

自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。

期待

何らかのことが実現するだろう、と望みつつ待つこと。

優越感、劣等感

優越感は自分が他者より優れているとの認識、およびここから生じる自己肯定の感情。劣等感はその逆。

怨み

相手からひどい仕打ちを受け、機会あらば報復しようとする感情。

苦しみ

不快さの基礎的で感情的な経験であり、危害と結び付けられた嫌悪あるいは個人における危害の恐れ。

悲しみ

脱力感、失望感や挫折感を伴い、胸が締め付けられるといった身体的感覚と共に涙がでる、表情が強張る、意欲・行動力・運動力の低下など。

切なさ

胸がしめつけられるような気持ち。つらくやるせない気持ち。

感動

ある物事から強い印象を受け心を動かされること。

怒り

おこること。いきどおり。

悩み

思いわずらうこと。心の苦しみ。

諦念

あきらめること。思い切り。断念。

希望、絶望

希望は、好ましい事物の実現を望むこと。または、その望み。絶望は希望がないこと。

憎悪

地球上からなくしてしまいたいほどその存在を憎むこと。

愛しさ

かわいい。恋しい。慕わしい。

空虚

実質的な内容や価値がないこと。むなしいこと。また、そのさま。

 

2、カウンセリングと、感情体験

感情を表す言葉にはそれぞれ上記のような意味があります。

しかし、人が感情的な言葉を表明するとき、それはその言葉の意味を説明しようとしているわけではありません。

「悲しい」という言葉を発した人間は、上記の悲しさの意味のとおりに、❝脱力感、失望感や挫折感を伴い、胸が締め付けられるといった身体的感覚❞訴えているわけではありません。「悲しい」という言葉には、その言葉を発したそれぞれの人のそれぞれの経験が宿されているのです。

「悲しい」という言葉言い当ててもらいたいそれぞれの感情体験それぞれの人生経験があるのです。

体験・経験は、なんらかの言葉になったときに初めて、自覚し、表現することができるようになります。

例えば「悲しい」と言葉になる前モヤモヤ「モヤモヤ」という言葉になったときに初めて自覚できる

感情が言葉を表すのではなく言葉が感情を表してくれるのです。

したがって、感情を表す言葉の意味と、その人が発した言葉に宿されている感情体験、人生経験は必ずしも一致するものではありません。

カウンセリングで行われるのは、それぞれの人間のそれぞれの言葉のすがたに宿っている感情体験、人生経験を明らかにしていくやりとりであり、感情を表す言葉の意味を明らかにするやりとりではないのです。

感情体験

1、感情を表す言葉の意味と実際の感情体験は必ずしも一致しない。
2、感情は言葉のすがたになったときに初めて自覚することができる。
3、カウンセリングでは、それぞれの言葉のすがたに宿っている感情体験を明らかにしていく。

 

3、黒田の感情感覚と感情の探し方

感情の分析にはいろいろ方法があるようですが、(心理学者プルチックの感情の輪は有名)上記のように、怒りという感情を表す言葉の意味が不確かであるのを見てもわかるように、私たちは感情を意味でわかっているわけではなさそうです。私たちは、感情を言葉の意味ではなく、体感でとらえているようです。

私は感情とは身体から発生するエネルギー色をつけるように区別し、名前をつけたものだと考えています。

怒りという固定的で客観的な感情があるのではなく自分の身体から生まれたエネルギーに、今、怒りという名前を付けているだけ、悲しみという固定的な感情があるのではなく自分の身体から生まれたエネルギーに、今、悲しみという名前を付けているだけという感覚です。怒りという状態や、悲しみという状態があるのではなくその時、生まれたエネルギー(感情体験)に合う言葉が、怒りや悲しみという言葉のすがたであるという感覚です。

つまり、黒田にとって感情を探すということは、自分のエネルギー(感情体験)に合った言葉のすがたを探すということになります。

黒田の感情感覚

1、感情とは自分の身体から生まれたエネルギーを区別し、名前をつけたもの。
2、怒りや悲しみなどの固定的で客観的な感情があるのではなく、その時生まれたエネルギーに合う言葉が怒りや悲しみという言葉のすがたである。
3、感情を探すということは、自分のエネルギーに合った言葉のすがたを探すということ。

 

4、感情に意味の近い言葉

ここで、気持ち、情動、意思など、感情に意味の近い言葉を整理してみます。

気持ち

1、物事に接したときに心にいだく感情や考え方。
2、ある物事に接したときに生じる心の状態
3、物事に対しての心の持ち方。心がまえ。
4、からだの状態から生じる快・不快の感じ。
5、相手に対する感謝の心や慶弔の意などを表す語。ふつう謙遜していうときに用いる。
6、(副詞的に用いて)ほんのわずか。

 

感情

物事に感じて起こる気持ち。外界の刺激の感覚や観念によって引き起こされる、ある対象に対する態度や価値づけ。快・不快、好き・嫌い、恐怖、怒りなど。

 

情動

恐怖・驚き・怒り・悲しみ・喜びなどの感情で、急激で一時的なもの。情緒。

 

意思

何かをしようとするときの元となる心持ち。

 

5、情動に関するカール・ロジャーズの見解

カール・ロジャーズがパーソナリティと行動についての一理論という論文の中にある命題のなかで、情動(急激で一時的な感情)についてふれていますので紹介いたします。

カール・ロジャーズのパーソナリティ理論 命題6

情動は、前述のような目標指向的な行動をともない、かつ、一般的には、このような目標指向的な行動を促進するものである。情動の種類は、行動の追求的様相か完成的様相に関連しており、情動の強さは、有機体の維持と強化に対する意味についての知覚と結びついている。

簡単に言うと、情動(急激で一時的な感情)は行動を促進し情動の強さは身体にとって脅威かどうかという感覚に結びついている

ロジャーズは情動を2つの感情群に分けて考えている。

1、不安、つらい、怒り、悲しみ、等の不快もしくは興奮した感情

2、安心、嬉しい、楽しい、平穏、満足など、充足した感情。

怒り、悲しみ、恐怖、等の不快、興奮した感情は、身体の変化を求める行動を促進する。怒りや、悲しみ、恐怖などはそれを生み出している状況を解消しようとして動く身体に集中力を与える。(極めて過度な場合以外は)

安心、嬉しいなどの充足した感情は、身体がこの方向をより求めて動き、維持することを促進する。

興奮、不快の情動も、平穏、満足の情動も、基本的には身体をより強化するために行動を促進していく。そして情動の強さは環境がどれだけ身体の脅威になる、もしくは強化するかの感覚につながっている。身体にとって危ない状況が感覚的にせまっていれおびえる、怒るなどの情動は強くなり、その状態を回避するような行動を促進する。身体にとって強化されるような状況に感覚的になっていれば喜びや、満足感などの情動が、その行動を繰り返すことを支える。

カール・ロジャーズの情動理論

1、情動には2つの群があるが、どちらの群の情動も身体を強化するための行動を促進する。
2、環境が身体に与える影響が強ければ強い程、人間は情動的になり、身体の強化への行動はより促進される。

情動の強さは環境が自分の身体に与える影響の強さに比例するが、環境が自分の身体に与える影響は自己の構造(認知の仕方)に大きく左右されるため、自己構造が発達した後の人間の情動理解はもう少し複雑になる。

6、まとめ

感情を表す言葉はたくさんあり、ひとつひとつの言葉には意味が決められています。

しかし、人間の感情はすでにある言葉の意味におさまりきるものではありません人間の感情には単純な言葉の意味を超えた迫力と、人生を決めてしまうほどの影響力があります。

感情の強さと迫力は、生命のエネルギーの強さと迫力そのものです。

そして、それを感じ、自覚し、発現、そして放射するのには、どうしても言葉のすがたが必要なのです。

言葉の意味を超えて、言葉のすがたに宿されている、ひとりひとりの生命のエネルギー、それが感情だと私は思っています。

感情との出会いは、生命との出会いそのものです。カウンセリングは、そんな感情との出会いを促進するものであります。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

もし機会がありましたら、あなたとあなたの感情の出会い、ご一緒させてください。

 

カウンセラー黒田明彦