感情

感情移入についての体験的理解【感情移入しすぎる人へ】

今回の記事は、感情移入についての体験的理解を書いてみました。

私自身、感受性の強さ、自分の感情移入が起こりやすい性分に苦しんできましたので、あらためて勉強になりました。興味のある方は、ぜひ、じっくりと読んでみてください。

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感情移入しすぎる人へー感情移入に対する体験的な理解

感情移入の定義

私の対人における感情移入に対する経験的理解をわかりやすく定義すると次のようになります。

感情移入の定義

感情移入とは、自分の感情を相手に移し、(映し)それを相手のものとして感じてしまう、非常にリアリティのある思い込みである。

感情移入のメカニズム

感情移入はどのようなメカニズムによって起こるのでしょうか。

ⅰ)私はまず他者の表情、態度、言動を見聞きします。

ⅱ)私はどういう感情の時にその言動が生み出されるかを経験的に知っています。

怒りの感情を例にとると、

私は、相手の厳しい表情、興奮した態度、語調の強い言動を見たとき、それは私が怒っているときに生み出されるものと同じであると瞬時に感じます。

そして、その瞬間、実は、私自身に怒りの感情が生まれています。(感情には触発、模倣の作用が強くある。)

相手の表情、態度、言動を原因として瞬間的に生まれた感情は、私自身の感情であるという自覚にはなりにくく、どうしても相手の感情だと思い込んでしまうもののようです。

実際に私に怒りが生まれるのは本当に瞬間的な出来事ですし、目の前のその相手は、まさに私が経験的に知っている怒りの姿になっているので、自分が感じている怒りが、相手の怒りであると誤解しても無理のないことなのです。

相手の怒りに感情移入している状態とは、相手の怒りを直接感じているわけではなく、相手の怒りに触発されて生まれた、自分の怒りを感じている状態である。

感情移入しやすい人の特徴

他者の感情的動作に敏感で、触発されやすい人。刺激に敏感に反応してしまう感受性豊かな人は感情移入してしまいやすい。

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感情の触発と模倣について

科学的にはミラーニューロンというものが関わっているようですが、どうも人間には、他者の感情に触発されてしまう傾向と、その感情を模倣してしまう衝動が備わっているようです。つられ笑い、もらい泣き、怒りの伝染などなど、日常で体験したことがある人も多いのではないでしょうか。これはなかなかに抗い難い人間の本能のようなもののようです。

感情移入しすぎる人へーなぜ感情移入しすぎるとつらいのか

感情移入しすぎる人は、多くの人の感情的動作に触発されたり、知らず知らずのうちに模倣が起きてしまうので、自分自身の感情が生まれやすいです。

この辺り、他者の感情をもらってしまったというような感覚、自覚になっていることが自然ですが、実際は他者の動作の感受から、瞬間的に自分自身の感情が生まれているということです。

Q、なぜ感情移入しすぎると辛いのか?

まず基本的に、感情的になるということはそれだけで疲れることであります。

また、感情の処理には、しっかりとした表出と浄化が必要ですが、感情の表出と浄化には充分な環境が必要です。

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発生する感情が多い人は、感情の処理が上手くできないまま、他者の感情と衝突してしまう経験も多く、結局発生した感情を処理できないままに抱えて暮らしていることがほとんどです。それは大いにエネルギーを消耗する暮らしであると言えます。

また人は、それまでの人生経験の中で、自分自身の感情体験を自由に(自然に)意識化できなくなってしまう場合があります。

たとえば怒りの感情を無意識下に抑えこんで生活している人の場合、他者の言動からの触発・模倣から、自分の怒りの感情が生まれてしまうことを無意識的に強く恐れています。

怒っている他者を見るのが必要以上に怖いのは、相手の感情そのものが怖いのではなく、そこから生まれてしまう、自分自身の怒りの感情が怖いのです。

このような場合、自分ではコントロールしようのない他者の怒りにおびえて過ごす毎日となってしまい、それが生きづらい日々となってしまうことは容易に想像できます。

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感情移入しすぎる人へー感情移入を制御する

感情移入とは、感受性豊かな人に起こりがちな、相手の表情、態度、言動を見て生まれた自分の感情を相手のものだと感じてしまう、非常にリアリティのある思い込みです。

相手の表情、態度、言動を見て聞いて感じたときに、自分の感情が瞬時に生まれてしまうことは制御できません。

しかし、そのような感情の触発・模倣が頻繁に起こってしまうような感受性の強さを自覚し、それは相手の感情ではなく、自分の感情であると言い聞かせることができるようになると、その感情の対処ができるようになります。

感情移入は、非常にリアリティのある思い込みですから、それが自分の感情であるとはそうやすやすと信じられるものではありません。

ありありと、リアルに、相手の感情として感じられるものなのです。

感情移入を自覚し、制御するための哲学

まず、感情移入の制御は、感情移入とは、基本的には自分の感情を相手の感情だと思い込んでいるということを理解するところから始まります。

つまり、この感情は、相手のもの、相手からもらってしまった感情であると理解するのではなく、相手から影響を受け、自分に生まれた自分の感情なのだと理解するのです。

しかし、実際の相手の感情的動作に影響を受け、鋭く瞬間的に生まれた感情自分のものとして受け止めるのは最初はとても難しいです。

その時に必要なのが、「たった独りの人間」という人間哲学なのです。

たった独り。

宇宙でたった独りの人間。

わかってもらえない。

わかってあげられない。

私は相手になることはできないし、

相手も私になることはできない。

私にはどうやっても、相手の感情、体感、経験を、私というフィルターなしには感じることはできない。

私の感覚と相手の感覚がどう違うかも確かめようがないし、私は、私の感覚でしか、相手の存在を確認できない。

たった独り、

たった独りの人間。

私は相手のことを純粋な意味でわかってあげることは決してできないし、

相手も私のことを純粋な意味でわかってくれることは決してない。

それが当たり前。

それが自然。

それが事実。

この事実を少しでも実感することができれば、私が相手の感情を感じるということが不可能であるというところに立つことができます。

そうすれば、相手のものとして現実的に感じているその感情を疑うことができるようになります。

「ともかく、今私が苦しんでいるこの感情が、相手の感情であるはずがない」と。

これが、自分の感情と相手の感情を完全に分けて考えられるようになるために必要な哲学であり、ありありと感じられる現実的な体感を制御する術、つまりは、豊かな感受性による、過ぎたる感情移入を制御するために必要な哲学なのです。

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制御はできるが、感情移入がなくなるわけではない

残念ながら、私は相手の感情を感じることはできないというところにしっかりと立てたとしても、相手の感情動作から影響を受けて、自分の感情が生まれなくなるというわけではありません

他者の感情動作からの触発や、模倣は、自分の意思を超えて起こるものです。

特に感受性が豊かな人の身には繰り返し、強烈に起こることはなかなか変わりません。

しかし、それが他人の感情ではなく、自分の感情であるということが自覚できるようになると、落ち着くための手段を自分で積極的にとることもできます

これは、相手の感情ではなく、自分に生まれた感情なのだと気づけると、(最初のうちは、言い聞かせることができると)それだけでも不思議と落ち着くことができるようになるのです。

感情移入しすぎる人へー感情移入の発展形

私がどんなに敏感で、感受性が強かったとしても、相手の感情を、相手が感じているように感じることはできません。少なくとも、それを確かめる術はありません。

私が感じられるのは私の感じ方、私の感情のみです。

しかし、現に目の前に、悲しいと言って涙を流す人はいらっしゃいますし、

非常に語調の強い言葉とともに、迫力ある態度を感じさせてくれる人はいらっしゃいます。

その相手の態度、言葉のすがたから、相手の感情を感じることはできなくても相手の感情を洞察することはできます。

悲しいのですね。

怒っているのですね。

嬉しいのですね。

楽しいのですね。

それは、私の感覚でしかわからない感情ですが、わからないなりに、私なりの感情の言葉で寄り添ってあげることはできます。

私が、触発、模倣されることによって生まれる私の感情と、相手の感情を区別できている状態なら、ただ静かに相手の感情を洞察し、私の言葉で寄り添ってあげることもできる。

この感情洞察的理解こそが、相手に支援的な影響を与えうる、感情移入の発展的な姿なのだと私は思います。

感情移入しすぎる人へーおわりに

今回は、感情移入における体験的理解を紹介しました。

感情移入は感受性が強い人の身にどうしても頻繁に起こってしまうものです。

そして、感情移入しすぎることはつらい体験になりやすく、生きづらさにつながることが多いのが現実ですね。

この記事で紹介した、どう頑張っても他人の感情はわからないという哲学が、過去の私を救ったように、今のあなたのことを救ってくれることを願っています。

 

ところで、感受性が強い人は、他者の感情を正確に想像するための鋭い洞察力と、そこに寄り添うための言葉を選ぶセンスを育てていける可能性を十分に秘めています。

このような人は、相手とのやり取りの中で、

「わかってくれてありがとう」

「私の心を聞いてくれてありがとう」

「ありがとう、本当に嬉しい」

というような、相手の言葉を聞けるようになる可能性が高いのです。

厄介な感情移入体質が、少しでも人の役にたつと感じられるのであれば、また少し人生が豊かなものに変わるでしょうか。

あなたの体質があなたの人生を豊かにするためのお手伝いが少しでもできればと思います。

 

カウンセラー黒田明彦

 

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