3秒で消える世界

認知症の父の味方であることと、精神科の偏見【3秒で消える世界第2話】

認知症の父とユニークな感性の母をもつ、学習者、黒田明彦の人生ドキュメントです。

第2話のテーマは「父の味方であることと、精神科の偏見」です。

現在の父は、短期記憶を3秒程度しか保持できません。

まさに、3秒で消える世界。

私はその父の世界に介入し、支えることができるのでしょうか。

興味のある人は読んでみてください。

【3秒で消える世界】記憶できなくても安心はできるのだろうか 認知症の父と変り者の母との共同生活からの学びをシェアしたいと思います。 絶賛新しい生活に苦戦しております。 全ては仮...

【認知症の父の味方であることと、精神科の偏見】福祉課に相談

市役所に自分の転居手続きを済ませに行ったついでに、父のことを福祉課に相談してみました。

市役所の人に認知症の父の状況を説明すると、翌日、我が家に訪問してくれるとのことでした。

仕事が早いですね。

父にそのことをどう説明しようか迷いましたが、とりあえず市役所から介護保険の関係で訪問に来ると伝えてみました。

何のことかわからない父は不安になり、

「とにかく市役所の人が来るから聞かれたことに適当に答えればいい。」

という楽観的な理解に落ち着くことは決してありませんでした。

3秒ごとに、その人たちは、何故来るんだ?何しに来るんだ?という疑問を吐き出す父。

その都度私も曖昧な答え方をしていましたが、上記の楽観的な理解に父がいたることはないと判断し、説明をあきらめました。

まぁ今日、もし、どんな理解に至ったとしても、明日にはすっかり忘れてしまうことでしょう。

市役所の人の訪問

次の日、どうせ混乱させてしまうだけなので、朝から、今日市役所から訪問が来ることは1度も確認しませんでした。

とりえあえず、約束の時間に父が家を離れていることがないようにと、気を払うことだけはしました。

時間通りやってくる市のケースワーカーさん。

私は、そそくさと彼らを家に招き入れ、父のいる部屋へと誘導しました。

父は何度も「誰だ?何しに来たのか?」と市のワーカーさんに疑問を吐き出します。

 

それは怒鳴り声ではありませんでしたが、決して優しい音の声でもありませんでした。

市のワーカーさんは何度も丁寧に、そして曖昧に何しに来たかを伝えます。

しかし、認知症の父は3秒ごとに「誰だ?何しに来たのか?」を繰り返す。

そして話の流れで、今日、ワーカーさんはアポイントを取らずにきたということになってしまいました。(市のワーカーさんが父のエネルギーの矛先が私に向かないように配慮してくれた結果、そうなってしまいました。)

そして、父の認知が「この人たちは、何らかの勧誘に飛び込みで来ている」ということで固定されます。

「なーんだ、最近俺はおかしくなってしまっているから、それで来たのかと思ったのに、急に来ただけかぁ。」

そうつぶやく父。いやあの・・・、正解なんですけどね。

 

そこから父は、父の認知においては何かの勧誘に来た人(ワーカーさん)とのやり取りを切り上げて、早々に帰ってもらうようなはたらきかけをします。

しかし、ワーカーさんは食い下がり、少しでも父とコミュニケーションを取ろうと話題をふり続けます。

わりと父はワーカーさんの質問に素直に答えていました。

長期記憶はわりと生きているようで、昔のことを聞かれると、大体私の記憶と同じようなことを父は言えました。

そして、

「他人とこれだけ長く話したの久しぶりだわ。」

そうこぼします。

ワーカーさんとのやり取りは実に30分程度でしたが、父にしてみれば大分刺激的な時間だったのではないでしょうか。

 

帰り際、父から離れたところで、ワーカーさんと今後のことを話しました。

とりあえず、まずは通院からですねという話になりました。

通院は、治療のためというよりは、福祉のサービスを受けるためには、医師の診断書を取る必要があるのだ、と私はワーカーさんの説明を理解しました。

【認知症の父の味方であることと、精神科の偏見】父の通院を画策

次の日、早速、私は最寄りの認知症外来のある病院に連絡しました。

予約のような形にはなりましたが、初診の場合はとにかく待つことになると説明されました。

父が待ち時間に耐え切れず、帰ろうとしてしまうイメージが浮かびます。

そもそも父は病院に行くことに乗り気ではありません。

それを説得したうえで、長時間病院の待合室で待たせなくてはならない…。

「ハードワークだなぁ…。」

 

私はそう感じました。

とりあえず病院の予約を形だけしたあと、姉に相談しました。

姉は近くに住んでいて車持ちなので、この父の医師の診断書取得作戦を手伝ってもらおうと思ったのです。

しかし、姉の反応は鈍い。

忙しい中、車を出してくれることに関しては、やぶさかではないらしい。

実際、夜勤明けで私の引っ越しを手伝ってくれたりもして、非常に助かりました。

しかし、今回の件はどうしても姉にとって引っ掛かりがあるようです。

 

それは、認知症の診断をしてくれる病院が精神科であるということ。

精神科への偏見

黒田家は、というか、黒田家周辺の人々は精神科に強い偏見があります

それは、父も、母も、多分親戚の多くの人もそうです。

やれやれです。

精神科は全くもって万能ではありませんが、つらい精神の症状を薬によって和らげることぐらいはできます。

そしてそれは、人生を大きく左右する選択です。

精神科の薬はつらい症状を和らげてくれる可能性は高いですが、個人差も大きく、また副作用も強いものが多いです。

立場によって言うことは変わってしまいますが、個人的には、薬を飲むことを選ぶ人もいれば、選ばない人がいても、私はしょうがないと思っています。

しかし、私は、「精神科=避けなければならない、忌むべき何か」みたいな反応を見るとイライラしてしまいます。

当たり前ですが、私が10年以上働いた、精神保健福祉の現場界隈ではそんな偏見はほとんどみかけませんでした。

しかし、この偏見は、ある程度の田舎、そして情報弱者の中ではあるある話なのかもしれませんね。

姉にとっての精神科

しかし、姉に関していうと、もう一段理由がありそうです。

これは、私の憶測も混じりますが、今より姉が若いとき、特に20代の頃。

姉は、精神科に通った方が良いかもしれないという精神状態が続いていたように思います。

しかし、どんなにつらい状態でも、姉が精神科の門を叩くことはありませんでした。

それは、黒田家特有の精神科への偏見も大きいでしょうが、自分を病気として認めたくないというところで、必死にのたうち回っていたのだと思います。

年齢を重ね、環境が変わったことで、姉の症状は大分落ち着きました。

特に近年は、びっくりするほど精神的に大人になっていました。

そんな、なんとか今落ち着いた姉が、自分のことではなくても精神科に行くということは、その時のことを思い出したり、影響を受けてしまう可能性を感じたのだと思うのです。

姉の意識的には、「よくわからないけど、とても行きたくない」という感じだったのではないでしょうか。

私は、姉には酷なお願いをしてしまっていたようです。

【認知症の父の味方であることと、精神科の偏見】父の味方になるということ

そこで、私は少し我に返って考えてみました。

なんだか、認知症の父を病院に連れていこうとする感覚は、病識のない統合失調症の人を病院に連れていこうとする感覚に近い感じなんですね。

これって、私が思っていた以上に大変なことなんだなと実感しました。

 

そして、さらに、いろいろと思考は巡ります。

精神保健福祉の現場にいたとき、私が対象者とリラックスして関わることができたのは、私が一方的に対象者の立場に立つことができる役割をもっていたからです。

あの立ち位置は非常に楽なんです。

ただ、対象者の味方になることができるのですから。

今、私が家族の立場でやろうとしていることは将来の私の介護の負担を減らすために、父を思い通りに動かそうとしているということ。

父は3秒しか記憶もできないし、適切な判断も、もうできないだろうとして、私は父の意思を尊重することを端から選択肢から外している

なんか、それって支援者っぽくないですよね。

役割が限定されている支援者は対象者の一方的な味方になっても、不利益が生じにくい。

家族は対象者の一方的な味方になってしまうと、不利益が発生しやすい。

これは現実です。

私は、家族でありながら、支援者としてどこまで父の味方になることができるのでしょうか。

【認知症の父の味方であることと、精神科の偏見】つづく

父は混乱の中、私とのやり取りの中で「助けてくれよ」とつぶやくことがあります。

私も小さな声で、「そのために帰ってきたんだ」とつぶやき返します。

 

しかし、あらためて、父を助けるとは、どういうことをいうのでしょうか。

3秒で消える世界に、私はどう介入していけるのでしょうか。

学習は、まだ、始まったばかりです。

 

学習者 黒田明彦

 

 

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