様々な人間関係において、怒りや苛立ち、憎しみのような負の感情エネルギーが生まれ、それが長期間自分の中に滞ってしまい、苦しんでしまうということはないでしょうか。
今回は、自分の中に生まれてしまって苦しい感情エネルギーが、なかなか流れていってくれないとき、その苦しい感情エネルギーを合理的に流していく1つの方法をご紹介いたします。
負の感情を消す方法ーこんなときありませんか?
誰かと喧嘩して、嫌な気持ちになった。そしてその気持ちを長期間引きずってしまう。
たとえば喧嘩の原因に、相手に明らかな過失があり、一般的にも、自分の価値観的にも怒ること、強く不平を主張することが妥当であると判断できるとき、相手に向かって怒ること(感情エネルギーの直接交流をすること)はそんなに難しくはないかもしれません。
例)相手が約束の時間に寝坊で遅れた。約束を守らなかった。常識的に考えて失礼なことをした。危険な行為をした等。
しかし、もっと個人的で、繊細な理由であなたに負の感情が生まれてしまった場合…。
他の人ならそんなに気にしないかもしれないこと、軽く受け流せるかもしれないこと、それがあなたには強烈に引っかかってしまったとき、自分の感情の正当性を主張するのは難しく、相手とその案件で直接感情交流することは難しいのではないでしょうか。
あなたが、直情的にいつも自由にふるまうことが出来る人でないのなら、正当性を主張できない感情は、なかなか交流が難しいかもしれません。そして交流できなかった感情は、いつまでもあなたの心のなかをグルグルとめぐってしまいます。
負の感情を消す方法ー感情は交流によって流れる
感情エネルギーは基本的には交流によって流れていきます。
Aという案件で怒りや苛立ちの感情エネルギーが生まれたら、そのAという案件の経緯を説明し、私はこういう気持ちになったということが言え、相手と交流できると、エネルギーは流れていき、スッキリします。
しかし、相手によって、状況によって、またその案件の繊細さによっては、その相手と正面切ってその感情エネルギーの交流をすることが難しいことがあります。
負の感情を消す方法ー感情交流の難しい例
以前相手にとても嫌な気分にさせられた。
その場は何とかしのいだが、その日は家に帰った後もしばらく嫌な気分が続いていたし、相手に対しての嫌なイメージが残っている。
後日、別の場面でその相手と顔を合わせた。
相手があの時のことについてどう感じ、どう残っているのかはわからない。
私の方には前回のやりとりによって生まれた未交流感情エネルギーが強烈に残っているせいで、今日の相手の発言や行動がやけに鼻につく。
相手が楽しそうにしていれば私は不快になるし、相手が静かにしていれば、私は自由になる。
なんとも息苦しい関係になってしまった。
負の感情を消す方法ー感情交流の正道
以前のやりとりによって生まれた感情エネルギーが未交流のため、まだ自分の中に残っていて、それが原因で今の相手との関係が少なくとも自分にとっては息苦しいものになってしまうことはあります。
滞った感情エネルギーの流れをつくるには、前回どんな感じを受け、それについてどれほど苦しみ、そして今日どんな気持ちを持っているということをその場で直接話し、交流することが大事です。これが感情交流の正道であり、負の感情の消し方の正道とも言えます。
それによる相手の反応は予想しづらいのですが、強い感情ほど、流していくのには相手との交流を必要とします。
以前、自分がどんな感じを受け、それについてどのように苦しみ、そして今、どんな気持ちをもっているということをその場で直接相手に話し、交流すること。
負の感情を消す方法ー正道が難しい場合
強い感情エネルギーは交流できなければ、あなたの中で滞り、ずっと苦しいままです。しかし、状況・案件によっては、上記の正道的な感情交流が難しくなってしまうことはあります。
実は、この正道的な感情交流手段以外にも、相手とのやりとりで滞ってしまった感情エネルギーを流していく方法があるのです。
それが、感情エネルギーのバイパス交流法です。
負の感情を消す方法ー感情エネルギーのバイパス交流法
相手とのやりとりによって抱えこんでしまった感情エネルギー。
その場で感情エネルギー交流できればよかったけど、できずに抱え込んでしまった。
自分の中でなくならずに、ずっと抱えたままの苦しいエネルギー。
前回のやりとりはもう自分の方しか覚えていないかもしれない。
いまさら、前回のやりとりを蒸し返すのは気が引ける。
場面を客観的に考えても好ましくない。
だけど自分の感情エネルギーは確かに滞っている。苦しい。
こんなとき、エネルギーのある一つの法則を知っていると助かるかもしれません。
それは、滞っている感情エネルギーは、その直接的な案件にふれない交流でも、流していくことができる、ということです。
感情エネルギーのバイパス交流法の具体
相手との関係において、交流が難しくなってしまったAという案件で生まれた感情エネルギーはそのままいったん置く。そして、同じ相手とBという案件で新たに感情エネルギーの交流をする。
Aという案件で生まれた感情エネルギーが滞ってしまったら、Aという案件について直接感情交流しないと、この感情エネルギーは流れていかない、と考えるのは自然かもしれませんが、
Aの案件に直接ふれなくても、Bの案件で相手とのエネルギーの交流ができた場合、Aの案件で滞っていたエネルギーも流れていってくれるのです。
例)Aの件について物凄く怒っていたのに、Bの件のことで笑いあえたら、Aの件ことが気にならなくなってしまった。
Aという案件によって感情エネルギーが滞ってしまったわけですから、Aという案件に固執してしまう動きは自然です。
しかしもし、あなたにとって、今抱えている苦しさを手放すことが、何よりも優先事項になっているのなら、そして、そのための合理的手段を検討できる余裕があるのであれば、この感情エネルギーのバイパス交流法を試してみてください。
Aの案件をクリアにしなければ、この感情エネルギーの滞りは改善されないと思い込んでしまうと、その案件での感情交流が事実上難しいときに、いつまでも感情エネルギーの流れができずに苦しいままです。
しかし、感情エネルギーさえ流れていってしまえば、相手のことを全く許すつもりがなくても、その件が気に止まらくなって、いつの間にか忘れてしまうことだってあるのです。不思議ですね。
負の感情を消す方法ーまとめ
あまりにも小さなことで腹を立ててしまった。
相手の変えようのない部分はどうしようもないと頭ではわかっているのに許せない。
平気なそぶりをしていたけど、実はハラワタは煮えくり返っていた。
などなどの件で、その場で感情エネルギーが交流できず、滞ってしまうと苦しい思いが継続してしまいます。
その感情エネルギーは直接的に交流されるのが本道ですが、案件によっては直接的な感情エネルギーの交流が難しいという状況はありえます。
そんなときに試す価値があるのがこの感情エネルギーのパイパス交流法です。
エネルギーは案件、内容にしばられず、交流によって流れを生みます。
最後に大事なことを付け加えると、エネルギーの流れは案件、内容にはしばられませんが、関係にはしばられやすいということです。
つまり、田中さんとのエネルギー交流では、鈴木さんとの関係における感情エネルギーは流れていきにくいということですね。
腹の立った件をいったん脇に置いて、別の件で感情交流したら、腹の立っていた件が気にならなくなった。
それは、自分の気持ちに嘘をついてしまった、自分の感性に背いてしまったということではなく、エネルギーの自然な流れによるもののようです。
大事なのはあなたが楽になることです。そのための道は真っ向勝負、正面突破だけではないということを体験的に知ることも、人生の味わいではないでしょうか。
あなたの生きやすさが、あなたらしく切り拓かれていくこと、切に願っています。
多感な凡人 黒田明彦