自己中心的な人。
自分を特別扱いしてもらうことが当たり前だと思っている人。
それでいて、とても不安定な人。
そんな人が身近にいたらとても厄介ですよね。
こういう人はナルシストというような特徴を備えているのかもしれません。
共感性の高いエンパスはナルシストと相性が悪いと言われています。
ナルシストというと、「自分大好き!」というイメージが強いですが、世の中には「自分大好き!」を全く自覚していない隠れナルシストも存在しています。
今回の記事は「エンパスは、隠れナルシストにご注意、その特徴や対処法も」ということで、隠れナルシストの特徴や、対処法について紹介します。
是非読んでみてください。
エンパスって何?

エンパスとは、共感力が非常に高い人のことです。
言い方を変えると、自他の境界線が薄く、他人のエネルギーが自分の中に自由に入り込んでしまうような人です。
器型の魂を持っているというオシャレな比喩をされるような人で、いつも誰かのエネルギーで満たされてしまうのが当たり前のような人です。
他にも感受性が強く、直観力に非常に優れていというような特徴もあります。
最近ではHSPという概念が爆発的に広がっていますが、エンパスとHSPは、かなり共通点がありますね。
ナルシストとは?その言葉の意味

ナルシストとは、ナルシズムの強い人のことです。
ナルシズムとは自己愛のことであり、自分を過剰なまでに愛したり、自己を性的な対象とみなす状態を言います。
語源はギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスが水面に映る自らの姿に恋をしたというエピソードに由来しています。
現代では、自己中心的な身勝手な人、自己正当化思考が強くて攻撃的な人を指す場合が多く、ネガティブな意味で使われることが多いですね。
この記事では、ナルシストを非常に不安定な高い自尊心を抱えている人と定義して進めていきます。
ナルシストの特徴

一般的に、偏った自己愛の持ち主であると言われているナルシストですが、岡山大学大学院の上地雄一郎教授が、心理学の論文で書いているナルシストの特徴がとても分かりやすいので紹介します。
ナルシストの特徴
①他者からの承認・賞賛への過敏さ
自分の発言や行動に他者からの承認・賞賛がえられるかどうかに過敏であり、承認・賞賛が得られないと自尊感情が低下する。
②自己顕示の抑制
注目を浴びたり自己を顕示したりすると強い恥体験が生じるため、自己顕示を抑制しがちになる。
③潜在的特権意識
自分に対しての他者が特別の配慮や敬意をもって接してくれることを期待し、その期待が満たされないと強い不満や怒りを体験しやすい。
④自己緩和能力の不全
強い不安や情動を自分で調整・緩和する力が弱く、他者に調整・緩和してもらおうとする。
⑤目的感の希薄さ
自己を方向づける目標が希薄であり、空虚感を体験しやすい。
(「自己愛の心理学」小塩信司・川崎直樹 編/金子書房)
エンパスとナルシストは相性が悪い?

自他の境界線が極めて薄く、他人の感情に影響を受けやすいエンパスと、プライドが高く、非常に不安定な自尊心を持っているナルシストは相性が悪いと言われています。
しかし、エンパスとナルシストは互いに惹かれやすいところがあります。
共感力が高くて、他人を他人と思えないエンパスと、自分をどこまでも承認してほしがり、特別扱いされるのが当たり前なナルシシストは噛み合ってしまうのです。
この関係は最初は上手くいっていても、徐々に搾取関係のようになっていきます。
エンパスはナルシストにすべて許してしまう傾向があり、それによってナルシストが、2人の関係を支配するからです。
ナルシストにとってエンパスは、愛の対象ではなく、あくまで自分のプライドを守るのを手伝ってくれる、都合の良い相手に過ぎないのです。
隠れナルシストとは?

ナルシストは、必ずしも自分で自分を愛しているという自覚があるわけではありません。
世の中には隠れナルシストが結構存在します。
ナルシストは、現代では、自己愛が強い人というよりは、プライドが高すぎる人というような表現がぴったりしています。
プライドが高すぎる人というのは、高い自尊心を保っていないと、平静でいられないという脆さを抱えています。
ですから自分の自尊心が下がりそうになると、相手を攻撃したり、異常なほどに調子が悪くなったりするのです。
ナルシストは、自己を愛している人と言うよりも、ありのままの自分を認めることがとても苦手な人と言えます。
自分なのに自分ではないと感じてしまう領域がとても広い人で、とてもバランスが悪い感じですね。
とにかく、自分を常に他人より上位におけないと平静でいられないないというのは厄介な性分ですよね。
エンパスのための隠れナルシストの対処法

エンパスがナルシストと親密な関係になることを避けたくても、いつのまにか、隠れナルシストに、非常に不愉快な気分にさせられる位置にまで近づかれていることは、結構あります。
そのようなときはどのように対処すればよいのでしょうか。
いくつか紹介してみます。
まずは、エンパスのための隠れナルシストの見つけ方

隠れナルシストの特徴は、承認欲求の高さと特別扱いが当たり前というプライドの高さ。
そして、それらが本人の自覚になっていないということです。
ですから、他の人と同じ接し方をしているのに、なぜか攻撃されたという感覚を感じたら、その相手は、隠れナルシストの可能性が高いです。
その攻撃は、微妙なものも多いので、エンパスは自分の感じた不快感には敏感である必要があります。
くれぐれも、「私が攻撃させてしまった」という過剰な加害者意識に陥り、自分から相手との関係性の特別性を高めてしまわないよう注意が必要です。
次に、隠れナルシストの攻撃性について分析
隠れナルシストは、自分を相手よりも高い位置におくことが精神の安定にどうしても必要です。
ですから、それが揺さぶられたときに、相手を攻撃し、自分の優位性を保とうとします。
上記、上地先生の提示したナルシストの特徴を踏まえ、ナルシストの高い自尊心が揺さぶられるときはどんなときなのかを知っておくのは有意義でしょう。
例1)ナルシストは、他者からの承認・賞賛が充分に得られないと、攻撃的になる
例2)ナルシストは、自分に対して特別の配慮や敬意をもって接してくれないと攻撃的になる
繰り返しますが、エンパスは、攻撃されたということをきっかけに関係の特別性を高めてしまう傾向がありますので、ご注意ください。
隠れナルシストの攻撃に対処しよう

隠れナルシストの高く不安定な自尊心を揺さぶらないために、腫物をさわるような感じで接し続けるのは大変です。
もちろん、余計な攻撃を受けないようにするために、ある程度の配慮は必要でしょうが、限界もあるでしょう。
大事なのは、相手の攻撃の理由が、非常に不安定な自尊心を揺さぶられたことによるものであり、そうならないように完璧に対処するのは、エンパスでもほぼ不可能だと知ることです。
たとえ隠れナルシストをとても怒らせてしまったとしても、「大変なことをしてしまった・・・」というような、余計な加害者意識に苦しむ必要はありません。
「まぁ、次は気をつけるよ」ぐらいの軽い気持ちで対処するのが重要です。
エンパスが、指摘によって隠れナルシストの攻撃に対処する方法
ナルシストはもともと自分を客観的に見ることが苦手で、協調性がとても低いという特徴があります。
心理学の実験では、ナルシストに、他者がどんな生活をし、どんな想いで暮らしていくのかを想像してもらっただけで、攻撃性が弱まったという結果もあるそうです。
もし、エンパスが、指摘によって隠れナルシストの攻撃性を弱めたければ、相手の気持ちや行動を想像、推測することを促してみると良いかもしれませんね。
エンパスは、隠れナルシストの自分中心の思考のYESマンにならないこと

もしエンパスが、隠れナルシストの言動に不快感でイライラを感じているのなら、そのイライラを隠さずに、隠れナルシストに伝えてみるというのはとても大事です。
エンパスはNOを言うのがとても苦手なところがありますが、隠れナルシストにとっては、いつも特別対応してもらうことが、当たり前という感覚をもっています。
エンパスがNOと言えなければ、その関係はいずれ、搾取関係とも言えるような関係になっていき、いずれエンパスは消耗していきます。
隠れナルシストにとって、それは当たり前のことであり、エンパスの消耗はエンパスの責任である、ぐらいの自己中心的な発想で生きていますので、エンパスの方から変えようとしなければ、関係性はずっとそのままです。
エンパスは、隠れナルシストのために存在しているわけではありません。
しっかりと、自分が感じている気持ちを伝え、できないことはできないと伝えましょう。
もしエンパスがとても器用な人の場合は

もしエンパスがとても器用な人なら、隠れナルシストの特徴を理解した上で、丁度良く相手をしてあげるというのも手です。
隠れナルシストの高く非常に不安定な自尊心を理解し、できる範囲で、褒めてあげ、特別扱いをしてあげる。
隠れナルシストは非常に不安定な高い自尊心を維持するのに日々躍起になっています。
それを出来る範囲で満たしてあげれば、少なくともエンパスを攻撃対象に認定することはないでしょう。
ただし、ナルシストの承認欲求の強さは想像を絶するところがあります。
こちらから絶妙の匙加減で関係を操作して、丁度よい位置を保てる器用さが必要です。
基本的にエンパスは、自他の境界線が極めて薄いので、自他をはっきり分けて関係をコントロールすることが苦手です。
気が付いたらエネルギーを搾取される関係が出来上がってしまっていたということにならないようにしましょう。
隠れナルシストの特徴や対処法 おわりに

「エンパスは、隠れナルシストにご注意、その特徴や対処法も」ということで書いてきました。
エンパスとナルシストは相性が悪いが、ナルシストは隠れていることが多いので、エンパスの方から、しっかり見つけて対処する必要があるということがわかりましたね。
隠れナルシストは、非常に不安定な自尊心を抱えた、プライドの高い人であり、その自尊心が揺さぶられるときに攻撃的になってしまうということもわかりました。
対処法として、あまり気にしない、他人の感情や行動を予測してもらう、YESマンにならない、上手く関係をコントロールするというものをあげてみました。
エンパスは、自分が感じた不快感に敏感になり、くれぐれもそれを利用されて関係の特別性を上げられてしまわないように気を付けてください。
エンパスを本当に大切にしてくれる人は、簡単にエンパスを不快な気持ちにさせません。
エンパス自身の自尊心、大事にしてくだい。
冥王、黒田明彦でした。
私のエネルギー、もらってね。