人間が、環境からの刺激に対して反応する性質を感受性といいます。
さまざまな刺激に対する反応が敏感で、興奮しやすい人は、感受性が強い人と言われています。
周りの人に比べてあまりに感受性が強いと、人生は生きづらくなってしまいます。それは、社会というものが基本的に平均に合わせて作られているからです。
今回の記事は感受性の強さを自覚し生きづらさを感じている人が、少しでも社会の中で生きやすくなるような7つのアイデアを書いてみました。
興味のある方は読んでみてください。
感受性が強い人の生き方のアイデア1ー自分の敏感さを受け入れる

感受性の強さは基本的には生まれつきの体質です。性別、外見、声などと同様に、当たり前のようにひとりひとり違う、人間の特徴のひとつです。
不自由を感じる自分の特徴を拒否したい気持ちは自然なものかもしれませんが、変えられないものを拒否し、無いものとしたいと駄々をこねるよりも、在るものとして受け入れて、対処していくほうが建設的です。
感受性の強さを受け入れるということは、この自分の敏感さは変えることはできないと覚悟を決めて、合理的に対処していくということです。
感受性が強い人の生き方のアイデア2ー感受性の強さが生む不自由を理解する

もし、皆がある刺激に対して、全く同じ反応をしているのであれば、鋭く感じる感覚の苦しさは変わらなくとも、自分だけがそれに悩むということはなくなると思います。
たとえば、悲しいニュースを聞いてショックで寝込んでしまうのが、人口の8割ぐらいの人に起きる出来事であれば、おそらく社会的になんらかの対策が練られ、あなただけの問題ではなくなりますよね。
問題なのは、悲しいニュースをを聞いてショックで寝込んでしまうのが、人口の2割よりも少ない人しかいないということです。
感受性が強いことで起こる不自由は、それが多くの他者との著しい差となるときに発生しているということを理解しておきましょう。
感受性が強い人の生き方のアイデア3ー他者との差を「弱さ」という言葉で理解しない

感受性の強さ、自分の敏感さに悩むということは、それが便利に使えるものではなく、不自由を感じるものだからですね。
自分の反応が敏感すぎるせいで、他者に迷惑をかけたとか、自分の反応が敏感すぎるせいで他者と同じような立ち振る舞いができないなど、不自由は他者との差において生まれます。
敏感さからくる不自由は、そのような他者との差において「自分の弱さ」と表現されたり、感じたりすることが多いように思います。
この他者との差に直面することは、感受性が強い人にとっては日常茶飯事です。日常茶飯事の自分の傾向を「弱さ」ととらえるのは悲しいことです。
日々、どんな言葉と仲良くするかは、人間の元気に直接影響してきます。
「弱い自分」という言葉よりも、「敏感な自分」「繊細な自分」など、自分にとって、より優しい言葉で、自分の身体の性質を理解しましょう。
感受性が強い人の生き方のアイデア4ー自分の体調を整えることの優先順位をあげる

自分が他者とは差のある体質をもっているのであれば、それを受け入れて、どうにかして対処していかねばなりません。
他者と同じ条件で生きていないのであれば、他者とは違う時間の使い方が必要です。
まず、感受性が強い人は、一つ一つの刺激に対する反応が大きいので疲れやすいです。
自分の身体や、精神のケアを落ち着いてできるような時間の使い方をしましょう。
そのためには、他者の都合に合わせることよりも、必要に応じて自分の都合を大事にし、他者に主張できるメンタルが必要になります。
感受性が強い人には、他者には必要がないケアが必要です。それを理解し、自分の体調を整える優先順位をあげましょう。
感受性が強い人に必要なケアの例
充分な睡眠をとる
一人の時間を意識的につくる
発散(自分なりのストレス解消法)と収束(心を落ち着ける瞑想など)両方の精神的ケアをバランスよくする
リラックスできる状況で、自分の気持ちを誰かに語る、など
感受性が強い人の生き方のアイデア5ー回復力を高める

感受性が強い人の刺激に対する敏感さは、生まれ持った体質です。
ですから、刺激に対する自分の反応の大きさを嘆き、いかにして刺激に対しての反応を小さくするかということを考えるよりも、それによって受けた影響から速やかに回復する力を身につけるほうが合理的です。
感受性が強い人は、ダメージを受けやすい才能に加えて、ダメージから回復していく才能も持ち合わせています。
感受される刺激は、マイナス方面の影響だけではないからです。
自分の身体に宿る回復力を信じ、それを発揮するための術を身につけていきましょう。
感受性が強い人の生き方のアイデア6ー感受性の強さを活かすには

他者と差がある自分の体質は、不自由を生みます。社会は平均に合わせて作られているからです。
その不自由な他者との体質の差も、もし活かせるのであれば素晴らしい個性となって、他者からの評価を得られるかもしれません。
しかし感受性はそれ単体だけではなかなか生活や仕事に活かせるものではありません。
たとえば特徴的な声を持つ人は、それだけでは歌手にはなれません。
その声を活かすための努力を積み重ねること。
そして、しかるべき時、しかるべき場所にアピールを続けること。
さらには運の要素も絡んだ上で歌手として活躍できるかどうかが決まるのです。
感受性というのは、刺激に対する敏感さのことです。つまり、それは刺激に対する特徴的な反応の仕方であるというだけです。
それを何かに活かそうとするのであれば、少なくとも豊かな表現力が必要です。
そして、それを得るには生まれ持っての感受性とはまた別の才能や努力が必要であるということです。
感受性が強い人の生き方のアイデア7ー感受性が強い人に最初から与えられているもの

感受性が強い人に最初から与えられているもの・・・。
それは、その人の内的世界が良くも悪くも常に賑やかであること、そのものです。
敏感であるということは、たくさんの言葉に巡り合うということです。
人生の豊かさは、どれだけたくさんの言葉に巡り合っていくかで決まります。
感受性が強い人の生き方の7つのアイデアー終わりに
仏教に四苦八苦という言葉があるように、この人生は苦難に満ちています。
感受性が強いという体質に生まれてしまうと、おそらくこの苦しみを痛いほど味わっているのではないでしょうか。
しかし、人間の身体は常に成長、拡大、発展の方向性を目指し、はたらいてくれています。
苦しみを多く感受すれば、その苦しみから立ち直るためのエネルギーが同様の強さで生まれていくのです。
感受できる苦しみの分だけ、その敏感な反応の分だけ、それを克服するためのエネルギーが生まれるということです。
感受性の強さは、あなたの精神の成長のポテンシャルとも言えます。
その、「うんざりするような、あなただけの喧噪」から人生の豊かさを感じられるような、丈夫で器の大きい人間になっていけるといいですね。
多感な凡人 黒田明彦