HSPとはとても敏感で繊細な人のこと。
Highly Sensitive Person という言葉の頭文字をとった言葉です。
この言葉に出会って、自分のこれまでの苦しみの理由がわかり、ホッとした人は多いのではないでしょうか。
今回は、HSPの人が悩みがちな仕事のことについて、「HSPは仕事ができない?HSPが仕事が辛い理由と、在宅ワークが向いている理由」ということで書いていきます。
是非、読んでみてください。
まずはHSPの特徴のおさらい
HSPは1996年にエレイン・N・アーロン博士が考案した、とても繊細で敏感な人を表す言葉です。
HSPは下記の4つの特徴を同時に満たす人と言われています。
- 情報に対して脳が深い処理を行う
- 感受性がとても強い
- 共感力が高い
- 些細な刺激を感じ取ることができる
これは、性格や、環境によるもの、病気などではなく、生まれつきの気質だといわれています。
HSPは仕事が辛い理由
HSPは仕事を辛く感じる場面が本当に多いと思います。
これから、いくつかの例をあげます、あるある、と思えるところがいくつあるでしょうか?
HSPは仕事が辛い理由①上司の目が気になって仕事が辛い
会社において、1人で最初から最後まで完結できる仕事などほとんどありません。
どんなに自分で上手くできていると思っている仕事も、上司がOKを出さなければ、仕事として成立しません。
場合によっては、上司に急かされたり監視されたりするようなこともあり、緊張と焦りに襲われ、頭はどんどん正常に働かなくなっていくことでしょう。
ちょっとしたミスが、さらに上司の目を厳しいものにし、雪だるま式に高まる緊張感。
気が付けば、いつもより一回りも二回りも能力が発揮できていない。
落ち着いた状況ならもっとやれるはず・・・とすら、もう考えが及ばなくなっていく。
ただただ罪悪感やら、情けない気持ちに潰されそうになる・・・。
そんな状況になってしまったら、仕事は本当に辛いですよね。
HSPは仕事が辛い理由②周りの人の状況が気になりすぎて仕事が辛い
周りの人の状況が気になり、仕事に集中できない。
仕事中、他の社員の会話が気になって自分の仕事が上の空になってしまう。
自分じゃない人が上司に怒られたり、責められたりしたのを見てしまうと、自分の胸がどんどん苦しくなってしまう。
同じ部屋にやたらイケイケの人がいたり、イライラしている人がいると、非常に不愉快。
落ち着いた仕事がどんどんできなくなり、勝手にストレスが溜まり、仕事の効率も落ちてくる。
つまらないミスが増えていく。
自分を責める。
そんな状況になってしまったら、仕事は本当に辛いですよね。
HSPは仕事が辛い理由③付き合いが嫌で仕事が辛い
ただでさえ、疲れやすいし、休憩が必要なのに、職場では人間関係を大事にしなくてはなりません。
1人でのんびりしたいのに、同僚とランチに行ったり、付き合いで飲みに誘われたり。
楽しいこともあるけど、疲れのほうが勝ってしまって、結局仕事に支障がでてしまう。
だけど、断ったら職場の中で浮いてしまうかもしれない。
私だけが参加しないという状況はつくりたくない。
でも、行きたくない、休んでいたい。
いつも葛藤を抱えている。
だけど、結局言いだせなくて、いつも我慢して誘いに応じている。
その結果疲れは溜まり、またミスをしてしまった。
そんな状況になったら、仕事は本当に辛いですよね。
HSPは仕事が辛い理由④職場の環境が嫌で仕事が辛い
音、光、匂いが強すぎる。
なんで、周りの人たちは気にせず仕事ができるんだろう。
耳栓をしたい。
サングラスをしたい。
鼻栓をしたい。
もう、そんな急に大きな音を出さないで!
この場所にいるだけで、ジワジワと神経が削られる。
周りを見渡しても、他の人はそんなことはなさそう。
我慢できなければ、変な人と思われる。
しんどい。
そんな状況になったら、仕事は本当に辛いですよね。
HSPは仕事が辛い理由⑤ 同時に複数こなすのが無理で仕事が辛い
1つ、1つの仕事は難なくこなせるのに、一度に複数の仕事を頼まれると、途端に混乱してしまう。
そんなことはおかまいなしに、どんどん仕事はふってくる。
集中力は散漫になり、ミスを連発。
また上司に怒られる。
落ち着いて1つずつやらせてもらえば、絶対にできるはずなのに。
また今日も、自分を責めるしかない。
気分は最悪。
そんな状況だったら、仕事は本当に辛いですよね。
HSPは仕事ができない人?
このように仕事で辛い経験を繰り返してしまい、「お前は仕事ができない」と上司に言われたり、自分自身でも、そう思い込んでいるHSPは多いと思います。
はたしてHSPは、本当に仕事のできない人なのでしょうか?
結論から言えば、HSPは仕事ができない人なのではなく、非HSPと同じ条件の下では、能力を発揮できない人、であると言えます。
HSPが仕事で能力を発揮できない理由
- 全ての情報を深く処理してしまうので、動きが遅くなる。それもあって、マルチタスクが苦手。
- 感受性が強いため、環境からの刺激に敏感。そこにいるだけで疲れていく。
- 共感力が高いため、人の感情など、エネルギーに敏感に反応し、消耗する。
- 察する能力が高いため、仕事に直接関係ないところまで、何かとわかってしまい、気遣いをしたり、過剰な適応をしようとしてヘトヘトになってしまう。
- とにかく疲れやすい。
HSPが仕事で能力を発揮していくには?
さて、これらのHSPの能力を発揮できない理由をどう攻略していけば良いのでしょうか?
まず大事なのは、これらの自分の特徴を、職場を選ぶ前からしっかり把握しておくことは大事です。
そもそも自分に合っていない職場だったら、自分の能力を発揮しようとすることは相当厳しいです。
仕事を続けていくために最も重要なのはマッチング
健全に仕事を続けていくために最も大事なのはマッチングです。
働く前から職場の状況を把握するのは難しいですが、いくつかの情報はしっかりと仕入れましょう。
そもそも、何不自由なく自分の能力を発揮できる職場にあたることは、奇跡のマッチングであると思っていたほうが良いです。
辛い職場に当たるのは前提で、その辛さを少しでも軽減できるようイメージしましょう。
自分の特徴、職場の特徴を出来るだけ把握し、チャレンジするつもりでいきましょう。
断る力と説明力をつける
疲れやすいHSPが、仕事を続けていくには、自分のコンディションを整えることに、注力することが何よりも大事です。
休憩は自分の時間、仕事が終わったら自分の時間、できるだけ速やかに1人の時間を確保できるようにしましょう。
そのために必要なことは、断る力と説明する力です。
上司の誘いや、同僚の誘いなど、仕事に直線関係のない誘いは断るようにしましょう。
そして、自分は体力がないから、休憩時間や仕事終わりは1人の時間が必要だと、はっきり説明しましょう。
無理をして相手に合わせて自分の身体や心を壊すのと、自分のペースを守って相手に嫌われるのであれば、後者を選びましょう。
身体と心さえ守られれば、仕事をこなし続けることができますし、仕事の為に誘いを断っているにも関わらず、そのせいで嫌がらせをされるような職場であれば長居は禁物です。
場合によっては耳栓を着用する
職場の音が気になるときは、場合によっては耳栓の使用も検討しましょう。
身体にグサグサ刺さるような音の聞こえる環境で仕事をしていては、身体がもちません。
自分の意思でしっかり、自分の身体を守っていきましょう。
耳栓の着用の際は上司に必ず相談しましょう。
職場によっては、受け入れられないかもしれませんが、自分の状況を上司に知ってもらうことだけでも大事です。
仕事に関係のない情報は意図的に切る
HSPは些細な刺激を拾ってしまい、情報過多になって疲れやすいです。
しかも拾った情報をいちいち深く処理してしまうので、仕事をするにあたって、音のない情報が大きなノイズとなってしまいます。
職場の人間関係や、他人のプライベートの事など、特に仕事に直接関係ない情報は、意識して切りましょう。
情報を拾ってしまうことをやめることはできないので、拾った情報をとにかく捨てていくという感覚が大事になります。
拾った情報すべてに責任をもたなくてはならないということはありません。
ポイポイ捨てましょう。
実は、あなたは、もっと鈍いフリをしても大丈夫なのです。
マルチタスクの攻略
仕事をしていれば、どうしてもマルチタスク(仕事の同時進行)をしなくてはならないことはありますね。
実は、マルチタスクは非HSPの人にとっても苦手なことであり、効率も悪いことのようです。
ただ、HSPは特にそれが苦手ということですね。
複数の仕事を同時に進行しなくてはならない状況は、なかなか避けられません。
3つの仕事を同時に抱えてしまったときのコツは、計画と算段を立てた上で、3つの仕事を同時にこなすのではなく、1ずつ集中して終わらせるということです。
優先順位を考えて、終わらせる順番が決まったら、とにかく1つの仕事に集中する。
そして、それが終わったら、また次の1つに集中する。
1つの事をやっているときは、他の仕事のことは忘れる。
これがコツですね。
上司の横槍が入って、仕事の順番を変える必要がでてきたら、また計画を立て直せばいいだけです。
大事なのは同時に仕事を進める力をつけることではなく、1つやっているときは他を保留にする、保留力をつけることですね。
他人のエネルギーとの境界線をしっかり引く
共感力の高いHSPは自他のエネルギーの境界線をしっかり引く必要があります。
自分は、他人のエネルギーの影響を受けてしまいやすいことを自覚しましょう。
エネルギーをイメージすることは得意な人と苦手な人はいると思いますが、自分自身をバリアで覆うイメージをもつと、わりと嫌なエネルギーを跳ね返せるそうです。
ザワザワッと嫌なエネルギーを感じたり、自分以外の人が嫌な思いをしている場面を目撃したら、バリアを張ってその感覚を跳ね返すイメージをもちましょう。
他の人のエネルギーの責任をあなたがもつ必要はありません。
あなたはそれに罪悪感をもつことなく、ただ、あなたの仕事を淡々とこなせばよいのです。
HSPの特徴を話せる人をもつ
職場の中の近しい人に、自分のHSPの特徴を理解してもらえるとグッと楽になります。
それが上司であれば言うことないですが、同僚であっても、後輩であってもありのままの自分を理解してもらえるだけで落ち着くものです。
HSPは5人に1人の割合で存在すると言われていますから、10人規模の職場であれば、もう一人、HSPがいる確率が高いと言うことですね。
自分と同じような苦しみを抱えている人が意外と傍にいるかもしれません。
余裕があるときにじっくり観察してみてもいいかもしれません
仕事を休むということ
職種や職場環境によってまちまちかもしれませんが、基本的に日本の社会は、休むこと=悪いこと、という文化が根強いです。
どんなに体調が悪いときでも、仕事を休まない人が偉い、という価値観がまだまだ、はびこっていますね。
40度の熱が出ても休まなかったという話を武勇伝として聞くこともあります。
正直、体調不良で休むことは根性が必要なことですが、なんかあるとすぐ休む人、というポジションがとれると、意外とみんな諦めてくれたりもします。
ともかく、無理のしすぎは、長期的、慢性的な体調不良につながってしまいます。
どれだけコンディションコントロールに気を付けても体調が崩れてしまうときはあります。
そういうときはしっかりと休みをとりましょう。
文句や嫌味を言われることもあるかもしれませんが、調子が悪くてミスをしても、文句や嫌味を言われます。
トータルで自分のパフォーマンスが上がるように、しっかりと休むべき時は休みましょう。
HSPに向いている仕事は?1つの結論
HSPが会社で能力を発揮するための方法を書いてきました。
ここで、はっきりと言います。
今の日本で、HSPが非HSPと同じ条件で会社で働くことは不利です。
それを踏まえた上で、どこまで自分に合った職場に巡り合い、どこまで自分がやれるかのチャレンジになります。
HSPでも、その感覚には個人差は大きく、しんどいながらもHSPの良いところを活かし、会社で活躍できる人もいます。
中には自分がHSPだと自覚しないままに働いている人もいるかもしれません。
しかし、HSPの4つの特徴のどれか、もしくは複数がググッと鋭い人は、かなり厳しいところがあるでしょう。
それは、仕方のないことなのです。
結局つきつめていくと、HSPに向いている職場は、自分で環境をある程度自由に操作することができる場所、つまり在宅ワーク、もしくは個人事業なのです。
自分のHSP度の鋭さを感じている人は、会社勤めは社会経験程度に考え、いかに在宅ワークや、個人で仕事をしていけるかを早い段階から考えられるといいかもしれないですね。
安心の環境で、無理なく、自分の能力を発揮できる未来を想像できると、少し楽になりますよ。
HSPにおすすめの在宅ワークの紹介
この記事では、HSPにおすすめの在宅ワークをいくつか紹介します。
①ウェブライター(フリーライター)
フリーライターは、在宅ワークとしてはとっつきやすい仕事です。
案件によっては未経験でも仕事がとれます。
ただ、誰にでもやれるような仕事は単価が非常に安く、時給計算で100円超えない事態になることもしばしば。
しばらくはライターとしての経験値を上げるぐらいの気持ちで臨んだ方が良いかもしれません。
初心者歓迎の案件は、ライティングの簡単な指導もしてくれますので、お金をもらって勉強できると考えれば、お得です。
しばらく経験を積めば、効率の良い案件も取ることができるようになり、時給800円ぐらいの仕事効率を出せるようになります。
何事も下積みが大事だということですね。
②サイト制作
プログラミングが得意な人なら、稼げるのがサイト制作です。
最初の月から数十万稼げる人も結構いるそうです。
案件1つあたりの単価が高いのが強いですね。
自信のある方はクラウドワークスなどで案件がたくさん載っているので、さっそく探してみてください。
もともとプログラマーとして仕事をしていたけど、会社がしんどくなったというような人におすすめですね。
③ブロガー
まだまだ人気のブロガー。
始めるだけならほとんど経費がかからないというのも良いですね。
収益は0円から数千万円単位までさまざまです。
しかし、トップブロガーは野球で言えばプロ野球選手みたいなものなので、誰でもなれるわけではないことは分かっていたほうが良いでしょう。
ブログで本気で収益を上げたい場合は、何を売るかを先に考えてから作ることをお勧めします。
また、ブログは収益が出るまでとても時間がかかるので、好きなものでなければ書き続けられないかもしれないというジレンマもあります。
始める前に、まずはいろいろ情報収集をしましょう!
④カウンセラー、占い師
HSPは共感力も高く、洞察力やら、直観力も高いので、カウンセラーの素質があると思います。
HSP専門のカウンセラーを目指すのもいいかもしれないですね。
ただ、本気でカウンセラーをやりたいのであれば、しかるべきところで訓練をしなければなりません。
また、在宅で電話やzoomを使ってカウンセリングをやる場合の一番のネックは集客です。
カウンセリングをやるという感覚よりも、カウンセリングを売るという感覚が大事になってきます。
占いも電話やzoomを使えば、在宅でもできます。
占い師として稼いでいく場合も、まずはしっかりとした技術を学ぶために沢山勉強する必要がありますね。
そして、占いも、いかに売るかというところが本当に大事になってきます。
優れた技術も、まずは知ってもらうところから始めて、そして売れなければ意味がありません。
ちなみに、売るものとしては、私はカウンセリングよりも占いの方が売れるような気がしますね。
ただ、超人気コンテンツですので、ライバルは星の数ほどいると思ったほうが良いでしょう。
どちらにしても、とにかく集客は本当に大変です。
⑤イラストレーター
感性の鋭いHSPの人は、芸術的センスがある人も多いかと思います。
絵を描くのが得意なら、イラストレーターとしてやっていくのも手です。
ただ、こちらもライバルは沢山いますので、イラストだけでやっていけるようになるまでには、営業力やら発信力やらが必要になります。
イラストの才能だけでは埋もれてしまうこともあるということですね。
安い単価の仕事から始まって、少しずつ、自信と実績を蓄えていく感じです。
いかに上手に自分の絵を露出させていくかというような戦略も必要です。
⑥ハンドメイド作家
ものを作るのが大好きで得意ならハンドメイド作家になるのもいいかもしれません。
今は、オンラインショップは誰でも簡単に開設できます。
最初はまったく売れないところから始まって、売れてきたと思ったら、今度はわがままなお客さんとのやり取りに苦労したりで、大変です。
しかし、自分の作ったものが誰かに渡り、喜ばれることは、本当に嬉しいものです。
ハンドメイド商品の販売だけで生活をしていくのは難しいかもしれませんが、楽しみながら、細く長くやれると良いですね。
HSPの人が在宅の仕事を始める際の大事なイメージ
このように、HSPの人は、会社勤めとの相性が悪く、落ち着いた環境で働ける在宅ワークとの相性が良いのですが、その在宅ワークも、最初はなかなか稼ぐのが難しいというところから始まります。
在宅ワークは、じっくりと自分の仕事を育てていくというイメージがとても大事になります。
HSPは2つの事を同時にやることは、なかなか難しいかもしれませんが、ある程度軌道にのるまでは、アルバイトを併用してこなす等し、安定した収入源もあったほうが良いかもしれません。
なかなか在宅ワークが軌道に乗らない時は、本当に追い詰められた気持ちになりますので、少しでも収入があると本当に安心しますよ。
HSPは仕事ができない?HSPが仕事が辛い理由と、在宅ワーク、おわりに
いかがだったでしょうか。
「HSPは仕事ができない?HSPが仕事が辛い理由と、在宅ワークが向いている理由」ということで書いてきました。
HSPは生まれながらの気質であり、対処はできても、気質の変更はできません。
自分の特徴を理解し、自分に合った環境を自分で用意していくという発想が大事になってきます。
在宅ワークは環境的には自分で創ることができるので、HSPに相性が良いのですが、誰でも生業として成立させることができるわけではない、というところが難しいところです。
会社勤めとは違う能力が求められ、その能力は必ずしもすべてのHSPが持っているわけではありません。
人生は何事もチャレンジです。
是非、自分にあった働き方を見つけていってください。
HSPには、HSPにしかない感性があります。
HSPの深く、鮮やかな世界はとても素敵です。
それを少しでも具体化、現実化できるようになったとき、HSPだけではなく、HSPの周りの人の生活も本当の意味で豊かになっていくことでしょう。
あなたの活躍できる場所、あなたの意思で創っていってください。
応援しています。
冥王、黒田明彦でした。
私のエネルギー、もらってね。