近年HSPという言葉はどんどん認知されてきていますが、HSPという言葉に出会う人は、自分の生きづらさに疑問を持っていた人が多いのではないでしょうか。
そして、自分の生きづらさの原因を親のせいかもしれないと思っている人も多いかもしれません。
今回は、「HSPの原因に親は関係あるか?アダルトチルドレンとHSPの違いや、HSPが低評価を受ける理由」ということで書いていきます。
是非読んでみてください。
HSPの原因は親?その前にHSPの特徴の確認

HSPとは非常に敏感で繊細な気質を持つ人の事です。
- 深い情報処理をしてしまう脳をもつ
- 感受性が強い、鋭すぎる感覚器をもっている
- 共感力が高い
- 些細な刺激を感じ取ることができる
という4つの特徴を全て合わせもつとされています。
HSPの原因に親は関係あるか?

このHSPになってしまう原因に親は関係しているのでしょうか?
その答えは、概ね関係している、という表現になります。
というのも、HSPの原因には遺伝子が関係しているというのが、かなり有力な説だからです。
HSPの人は生まれつき安心を生み出すホルモンを活性化させる遺伝子が少ないのです。
HSPの原因には遺伝子の要因が大きい。
つまり、HSPの原因は親からの遺伝にあるということが有力説なのです。
HSPの原因が遺伝にあるという意味において、HSPの原因に親は関係しているということになります。
HSPは生まれつきの気質

HSPは生まれつきの気質であり、HSPの原因は遺伝であるという理解が一般的です。
ですから、性格の問題、親の育て方の問題、本人の努力不足などが原因でHSPになってしまうことはありません。
HSPの人は、生れたときからHSPである、ということですね。
HSPに似てしまう性質

繰り返しますが、HSPの原因は遺伝であるというのが、かなり有力説です。
しかし、実は環境や、親との関係によって、HSPの人の行動・反応パターンと、かなり似てしまう人達がいます。
それが、AC(アダルトチルドレン)と呼ばれる人達です。
ACとは、「機能不全家族」で育ち、それが原因で大人になってからも心にトラウマを抱えた人のことをいいます。
HSPとACでは、下記の症状が似てしまいます。
- 人の顔色を伺っていつもビクビクしてしまう。
- 大きな音や光、声などに敏感で過剰に反応してしまう。
- 不安、おそれ、罪悪感を感じることがとても多い。
- ときどき頭が真っ白になり、なにもできてなくなってしまう。
- 自分の繊細な感情がわかってもらえず、イライラする。
HSPはこれらの症状が生まれつきの敏感で繊細な気質が原因で発生しており、ACは、主に親から受けたトラウマが原因で発生しています。
基本的に現在では、HSPもACもセルフチェックによって判断しているので、自覚症状が似ているこの2つは、分けることが難しいとされています。
また、生まれつきHSP気質をもっていて、さらに親からトラウマを受けて育ったことで、HSPの気質とACの傾向を併せ持ってしまう人もいます。
それがさらにHSPとACの区別を困難にしています。
HSPの他人に低評価を受けやすい生まれつきの4つの特徴

ここで、HSPの生まれ持った性質をわかりやすくするために、HSPの4つの特徴がなかなか他人には理解されにくく、低評価受ける原因となってしまう例を紹介します。
①情報を深く処理してしまう
HSPは生まれつき情報を深く処理してしまう脳をもっているので、いちいち物事を深く考えてしまい、行動が遅くなってしまうことがあります。
この傾向は、他人から、考えすぎ、動きが遅い、クヨクヨしすぎなどの低評価を受けてしまうことが多いです。
このように、他人をイライラさせてしまうことは、HSPが自分の気質を否定的にとらえてしまう原因になりがちです。
②感受性が強く、鋭すぎる感覚器をもっている
HSPは感受性が強く、他人にしてみれば、些細なことに感動したり、驚いたり、怒ったりします。
また、鋭い感覚器をもっているため、音、光、匂い、肌触りにとても敏感です。
「そんなことでそこまで動揺する?」
「あなたは細かすぎるよ。」
「弱すぎる・・・」
一般的な感覚器を持っている他人には、ちょっとしたことにしか感じられない刺激に、大きく反応してしまうHSPは「弱い」という低評価を受けがちです。
そんな他人からの評価は、HSPの自己肯定感を下げます。
③共感力が高すぎる
HSPの共感力の高さは、人の気持ちを正確に想像してあげられる、というレベルではありません。
それは他人との境界線の薄さとも言えるものであり、他人の感情の影響をもろに受け、他人の心の痛みを自分の事のように感じてしまいます。
時には、感情被害を受けている他人以上に、傍にいただけのHSPが傷ついてしまうときさえもあります。
そんなHSPの反応は他人には理解しがたく、あきれられてしまうこともあるでしょう。
④些細な刺激を感じるとこができる
微細な刺激を感じ取れるHSPは他人が見逃してしまうような些細な変化、出来事も敏感に捉えます。
また、目には見えないものを感じ取るセンスもありますので、他人に気味悪がられることもあるかもしれません。
また、刺激として感じとれる情報量が多いので、疲れやすいところもHSPの評価を下げてしまうところです。
HSPの気質は変わらなくても、とらえかたは変えることができる

HSPは、その敏感さ、繊細さによって、他の人と同じことができなかったり、とても疲れやすいなどの傾向があります。
敏感さ、繊細さによって優れた面もたくさんあるのですが、他人と同じようにできないところにスポットが当たって、自信を失ってしまった場合、自己肯定感は下がり、罪悪感をもち、人目を気にしながらより敏感に、より繊細に生きていくことになってしまいます。
生まれながらの気質を否定しながら生きなくてはいけないというのはとても辛いことです。
自分の気質を理解し、対処能力を上げることができれば、自分の強みを活かしていけるような生き方ができるようになります。
自分の気質のとらえかたは、後天的に身に着いたものなので、変更が可能です。
それは、心の成長と共に克服することができます。
ただ、生きづらさが深刻な場合は、1人でなんとかしようとせず、カウンセリングを頼るなど、専門家に手伝ってもらいましょう。
HSPの原因に親は関係あるか?ACとの違いや、低評価を受ける理由、おわりに

いかがだったでしょうか。
「HSPの原因に親は関係あるか?アダルトチルドレンとHSPの違いや、HSPが低評価を受ける理由」ということで書いてきました。
HSPの原因は親にあることが有力ですが、それは、育て方や関係の問題ではなく、遺伝子的な問題であると言うことが分かりましたね。
また、HSPとAC(アダルトチルドレン)の症状は似ていて、その区別が難しいということもわかりました。
HSPの気質は変更できませんが、その気質のとらえかたを変えていくことで、生きづらさを克服していくことはできます。
自分の気質を否定せず、繊細で敏感な色鮮やかな世界を肯定して生きていきたいですね。
冥王 黒田明彦でした。
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