HSP

HSPは疲れる【人付き合い、家族、子育て、恋愛、友達、仕事】疲れの取り方も

HSPとは?
“Highly Sensitive Person” の略でとても敏感な人を表す、最近多くの人に認知され始めている言葉です。HSPは病気や病名ではなく、気質を表す言葉というところがポイントです。

このHSPという概念は、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱しています。

HSPの人は非常に敏感で繊細な感性を持っていますので、他人の感情や環境の影響を大きく受け、とても疲れやすいです。

この記事ではHSPの人が疲れやすい理由と、その対策、そして、疲れを取る方法を紹介していきます。

1.HSPが人付き合いで疲れやすい理由

HSPが人付き合いで疲れやすい理由

まずは、HSPの人が、人付き合いで疲れやすい理由をいくつか説明します。

HSPは思い込みと気遣いで、人付き合いに疲れる

HSPの人は非常に繊細で敏感な気質を生まれつきに持っています。

人間関係において、相手の発言や態度から様々な思い込みをしてしまうことが多いです。その思い込みが非HSPの人に比べて、いちいち深いということがあげられます。

これは、脳がとにかく情報を深く処理してしまうというHSPの特徴からきています。これは疲れますね。

また、非常にいろいろなことに気が付きやすいので、相手の人にたくさんの気遣いをしてしまいます

相手の求めていることを敏感に感じとってしまうので、気遣いせずにはいられないんですね。

見て見ぬフリは相手に悪いという罪悪感を抱えている人も結構いるのではないでしょうか。

HSPは情報量が多すぎて、人付き合いに疲れる

HSPの人は、他人や環境から感じ取れる情報量がとにかく多いです。

他の人には気が付かないこと、スルーしてしまうような些細な刺激も感じ取ってしまいます。

それによって、上記のような思い込みや気遣いが発生して疲れるわけですが、思い込みや気遣いをしなくても、単純に人付き合いにおいて、受け取る情報量が多すぎて、それだけで疲れてしまうのです。

安心できる人、落ち着ける人が相手でも、長時間接していると、情報量がオーバーしてしまって、ぐったりと疲れてしまうことがあります。

HSPは共感しすぎて人付き合いで疲れる

HSPの人は、とにかく共感力が高いです。相手の気持ちに寄り添うのが上手で、相手の感情を瞬間的にまるで自分のことのように感じてしまいます。

怒ったり、悲しんだり、などはもちろんですが、嬉しい、楽しいという感情も人を疲れさせます。

自分の感情に加えて、相手の感情にも敏感に反応してしまうため、HSPは人付き合いで2倍疲れてしまうのです。

HSPは感情が大きく動きすぎて疲れる

HSPの人は、非常に繊細で敏感なので、非HSPが感情的に動揺しないようなことにも、強く動揺して、すぐに疲れてしまうことがあります。

一人でいるときなら、自分にとっての刺激的な出来事を避けるように行動できますが、人付き合いがあるときは、自分だけが動揺してしまうシチュエーションが多く、どんどん一人で疲れていってしまうことがあります。

感情が大きく動きやすく、動揺しやすいと言うことは、それだけで疲れることです。

HSPは疲れを隠そうとして疲れる

HSPは自分の繊細さ、敏感さにコンプレックスを抱えている人も多いので、人付き合いでは自分の気質を隠し、何とか普通に振舞おうとしてしまいます。

休むべきところで休みたいと言いだせなくて、疲れすぎた結果、結局もっと大きな嘘をついて、ヘトヘトになってから一人で帰るハメになることもしばしばかもしれません。

人とは違う気質であることを他人に説明でき、疲れやすさを隠さずに、人付き合いできているHSPはあまり多くはないのではないでしょうか。

2.HSPが疲れる人付き合いの例

HSPが疲れる人付き合いの例

HSPの人が疲れてしまう人付き合いの例を具体的に紹介します。

HSPは家族との人付き合いで疲れる

HSPの疲れやすさは、たとえ家族であっても、当たり前のように理解してもらえるわけではありません

一番身近な肉親であっても、「小さなことに引っかかり過ぎだよ。」「深く考えすぎだよ。」などと、理解の無い言葉をかけられてしまうこともあるでしょう。

自分にとって一番安心感が得られる家庭という場所でも人付き合いで疲れてしまうのは、本当にしんどいことですよね。

HSPは遺伝の影響があるという説が有力なようですので、家族にも自分に近い気質の人がいるかもしれません。

HSPという概念は少しずつ一般的になりつつあるので、家族同士、HSPについて話し合ってみる機会を持てると良いですね。

HSPは友達との人付き合いで疲れる

HSPは家族という一番身近な人付き合いでも疲れるわけですから、当然友達との人づき合いでも疲れます。

自分とは全く疲れ方の違う相手と一緒に過ごしていくのはそれだけで大変ですよね。

しかし、友達付き合いが疲れるからといって、いつも一人でポツンとしていても目立ってしまうし、寂しい気持ちにもなってしまうでしょう。

HSPの人口割合は5人に一人と言われています。学校や職場にも自分に近い気質の人が見つけられるかもしれません。

自分に近い気質の人と友達になることができれば、疲れやすさを前提とした理解ある友達付き合いが可能です。

逆に、まったく敏感で繊細ではない友達と仲良くなりすぎてしまうと大変ですね。

HSPの敏感さをフルに使って、少しでも自分に近い気質の人の近くにいるようにしましょう。

HSPは恋愛の人づき合いで疲れる

恋愛は、HSPじゃなくても、かなり高エネルギーの人間交流です。繊細で敏感なHSPの人には影響力が大きいですね。

HSPの人は感受性が強く、思い込みも、気遣いも人一倍強いです。

また、HSPの人は共感力の高さや察しの良さとも加わって、非HSPの2倍、3倍も恋愛時は忙しいです。

好きという感情、嫌われたくないという感情、相手の気持ちを察し、相手の感情を追っていく。

もう、どんどんエネルギーが消費され、疲れていきます。

相手を思うばかりに、自分の気持ちを全然優先できず、ただ疲れるだけで恋愛がいつも終わってしまう人もいるのではないでしょうか。

もう自分で自分がわからない!というような、感情の洪水状態になってしまうこともあるかもしれません。

友達に相談しても、「あなた、重すぎるよ」なんて言われたら目も当てられません。

内面の世界がとても豊かなHSPは恋愛の人付き合いでは、とても疲れてしまいますね。

HSPは子育てで疲れる

HSPの人は、子育てでも、とても疲れてしまいます。

敏感で繊細なHSPは子供の跳ね回るような気持ちの変化に影響を受けすぎて、グタッと疲れてしまうことがあります。

また、HSPは遺伝の可能性がありますので、子供も繊細で敏感な子供(HSC)である可能性があります。

子供の敏感さに、振り回されて、自分がひどく疲れてしまうこともあるでしょう。

自分が必死に子供のケアをしていても、もう片方の親が、子供に厳しく当たったりして、それで自分が傷ついてしまうということもあるかもしれません。

また子育てには、他のママ友との交流や、PTAなどの人付き合いが付いて回ります。

自分の子供のこと以外にも人付き合いの負担が増えます

自分のケアをする時間がとれなくなってしまうととても苦しくなってしまいますね。

HSPは職場の人付き合いで疲れる

職場の環境、居心地は上司との関係によって決まるといっても過言ではありません。

繊細で敏感なHSPの人は、上司の言動に非常に敏感に反応し、とても疲れてしまいます。

上司が何かイライラしているときは、私のせいかな?と不安になってしまったり、自分ではない人を上司が怒っていても、自分が怒られているような気分になってしまうことも。

上司以外にも、職場の雰囲気を敏感に感じ取り、休憩時間まで気遣いをしてしまうこともあります。

人一倍疲れやすいのに、人一倍気を遣いすぎて休まるときがない。そうなってくると、大変です。

また、仕事終わりに、お誘いがあることもあるでしょう。

人一倍疲れやすいHSPの人は、仕事が終わったらすぐにその日の疲れを取るために、自分のメンテナンスをしたいところですよね。

その時間をさらに人付き合い、気遣いの時間にとられてしまうなんて、明日の元気がどんどんなくなってしまいます。なんとかして断りたいものです。

しかし、相手を気遣うHSPの人は、断るのが苦手で・・・。

せめて職場に自分の気質を理解してくれる味方がいてくれるといいですね。それが上司であれば、最高なのですが。

3.HSPの疲れの取り方

HSPの疲れの取り方

HSPの人は、とにかく疲れやすいので、できるだけ疲れがたまらないように立ち回らないとなかなか社会生活を十分にこなせません。

しかし、どう頑張っても、疲れというものは溜まってしまうもの。

これから、HSPの人のための疲れの取り方をいくつかご紹介します。

HSPはたっぷり休息を取ること

疲れたときにやること、それは休息をとることです。休息の中で一番強力なものは何か。それは睡眠ですね。

睡眠以上の休息はありません

HSPの概念を提唱したアーロン博士は、HSPの人には9時間が良いと言っているようです。

この9時間が丁度よいかどうかは、個人差があるだろうと思います。

ただ、一日のうち、睡眠もしくはそれに準ずるような安息な時間が、9時間ぐらい確保できているかどうかは大事な気がしますね。

仕事が忙しい、子育てが忙しい、人間関係でなんだか忙しいとなって、安息の時間がとれなくなると、心身に支障をきたしてしまうことさえあるかもしれません。

HSPのような疲れやすい気質を持った人は、そうでない人に比べて、セルフメンテナンスの意識を強くもたないといけません

積極的に自分を癒す。それが、明日の自分が役割をこなせるかどうかにつながっていくのです。

たくさん寝ましょう。自分の為に、そして、周りの人の為にも。

HSPは一人の時間をもつこと

HSPの人はどうしても気質上、周りの人を気遣ったりして疲れてしまいます。

気遣わないように頑張っても、気遣ってしまうのがHSPの気質なのです。

ですから、疲れを取るためには、積極的に一人の時間を持つことが大事です。

職場での休憩時間など、日中もできる限り一人の時間を作ることを意識できると、疲れの度合いが減ります。

また、家に帰ってから、寝るまでの時間も、いかに一人の時間を長く過ごせるかと考えるといいでしょう。

一人の時間は何をやってもいいんです。好きな本を読んだり、絵を描いたり、ゲームをやったり、TVを見たり。ゆっくりお風呂に入るのもいいですね。

うっかりSNSなどに手を出してしまうと、自分の部屋で人付き合いをして疲れてしまうハメになってしまうので気を付けましょう。

自分の感情を紙に書きだすこと

日中の気遣いや、様々な刺激に脳が疲れ、興奮状態になっていると、一人になってもなかなか落ち着けないというときもあるかもしれません。

そんなときは、ノートを取り出して、自分の感情を洗いざらい文字にしてみるのはいかがでしょうか。

誰にも見られない秘密のノートに、自分の荒ぶる感情を、深い感性をぶちまけてみる。

ノートの上では気遣いをする必要がないのです。

ただ、ストレートに自分の感情を吐き出してみる。

そうすると、興奮がおさまり、心が静かになっていくことがあります。

いろんな刺激によって脳に蓄積してしまった感情やら、イライラを積極的に吐き出してみる。

自由に、誰に気遣うこともなく。そんな時間をもつことは、脳の疲れを癒してくれるでしょう。

信頼できる人とお話しする

HSPの気質をよく理解してくれている人とお話しすることも、疲れを癒してくれます。

なんだかんだ言って、人は誰かに共感してもらえると元気が湧きます

HSPの人は普段は他人に共感してばかりかもしれません。たまには、自由に自分の話をして、共感してもらいたいですよね。

ただし、HSPの気質を理解していない人だったり、相手があまり余裕のない状態だと、自分の話をしても、共感してもらえるどころか、否定されてしまうこともあるかもしれません。

そうしたら、疲れが癒されるどころか、傷ついて余計疲れてしまいますよね。

ですから話をする相手はしっかりと選びましょう。

先輩HSPなど頼れる知人がいる場合は良いですね。

たまには、話を聞くことをお仕事にしている人を利用してみるのも手かもしれませんよ。

HSPのための電話傾聴サービス

https://kurodacounseling.com/dennwa

4.HSPと疲れ まとめ

HSPと疲れ_まとめ

HSPの人はその気質により、様々な人付き合いでとても疲れやすいです。

自分の特徴を理解し、できるだけ疲れを貯めないように気を付け、また、たまった疲れを上手にとっていきましょう。

HSPの人は、特に自分ファーストの気持ちを大事にしましょうね。

冥王、黒田明彦でした。

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