繊細で敏感な気質をもって生まれたHSPの人たち。
その気質が強ければ強いほど社会に適応することがなかなか難しく、仕事がつらい、仕事が続かないという悩みを抱えてしまうのではないでしょうか。
今回はHSPで仕事がつらい、続かない理由と対処法と言うことで書いてみます。
HSPが仕事がつらい・仕事が続かない理由

HSPの特徴と仕事がつらくなる原因
HSPとはアメリカの心理学者、エレイン・アーロン博士が提唱した概念であり、非常に敏感な気質をもって生まれた人のことです。
HSPは生まれながらの気質であり、病気ではありませんが、人生において、大きな影響を与える気質です。
HSPの気質により仕事がつらくなってしまう、仕事が続かなくなってしまうということはるのでしょうか、HSPの4つの特徴である、DOESが仕事をつらくしてしまう原因をみてみましょう。
DOES | DOESを日本語にすると | DOESで仕事がつらくなる理由 |
---|---|---|
Depth of processing | 深い処理能力 | どんな情報も深く深くとらえてしまうので、とにかく仕事で体力の消耗が激しい。疲れる。「あなた、考えすぎよ!」と言われたり、クヨクヨしやすいのはこのせい。ときどき海の底にいるような感じがするのも、多分この感覚のせい。 |
Overstimulation | 感受性が強く、刺激に敏感 | あらゆることに対する反応が大きい。ビックリしやすい。大きな音とか苦手、体育会系が苦手なのも主にこのOが原因。いつも鋭い刺激にさらされているような感じなので、疲れる。ビックリしたり、こわい思いしないように構えなくてはならないので疲れる。仕事行きたくなくなる。 |
Empathy and emotional responsiveness | 共感力が高く、他人との境界線が薄い | 他人の感情が流れ込んでくるかのような感覚をもつ。人の気持ちに寄り添うのが得意なのはいいが、他人との境界線が薄いとも言えるため、良くない感情もいっぱいもらってしまう。この特徴のせいで、職場の人間関係からのストレスが過度になりやすい。人が怒られているのとか見るのが辛すぎる。対人のストレスは抜けにくく、しんどい。 |
Sensitivity to subtleties | 些細な刺激を感じ取れてしまう | 単純に情報量が多くなって疲れる。多くの人が聞こえない音が聞こえたり、感じ取れないものを感じ取ったりしてしまう。職種によってはそれが役に立つこともあるが、全く役に立たない情報も多い。人数が多い職場では、小さな情報量が膨大になってしまって常にパンクすれすれになってしまうこともある。 |
この4つの特徴が複合的に作用して、HSPは仕事でつらくなって、続けるのが難しくなってしまいます。厄介ですね。
HSPが仕事でつらくなる具体的な理由

1.HSPは人間関係で仕事がつらくなる
HSPの人は人間関係からすごくストレスを受けやすいです。
HSPの人は他人本位のコミュニケーションをしがちで、他人のために自分を犠牲にしがちです。
自分の抱えている仕事以上に仕事場の人間関係からエネルギーを奪われやすく、仕事の内容よりも、人間関係によって仕事がつらくなり、続けるのが難しくなることがあります。
2.HSPは評価で仕事がつらくなる
HSPはいろいろなことを深く考えてしまうので、自分の仕事が他人にしっかり評価されているかどうか気にしてしまいます。
その結果、変に緊張して実力が出せず、ミスをしてしまって、自信を無くすという負の連鎖になってしまうこともあります。
3.HSPは指摘・指導の厳しさで仕事がつらくなる
HSPは感受性が強く、傷つきやすいので、指摘や指導が厳しいと、グッと仕事がつらくなってしまいます。
特に体育会系の当たりのきつさ、イケイケ感の中で、指摘・指導されてしまったら、刺激が強すぎて、すぐにパンクして仕事がつらくなってしまうでしょう。
4.HSPは職場環境の変化で仕事がつらくなる
HSPは環境の影響をモロに受けるので、環境の変化が激しい職場では消耗が激しく、仕事がつらくなり、続けることが難しくなってしまうでしょう。
上司がコロコロ変わったり、部署の異動が多かったりすると、つらくなりやすいですね。
5.HSPは忙しさで体調管理ができないと仕事がつらくなる
HSPは疲れやすい自分の身体を丁寧にメンテナンスするために、しっかりとした一人の時間の確保と、休養が必要です。
それができないほどの忙しい職場では、まず厳しいでしょう。
繊細で敏感な気質を持ち、疲れやすいHSPは、自分の能力を発揮するために、丁寧なセルフメンテナンスができるような仕事場を選らばなければならないでしょう。
6.HSPはミスが多くなると仕事がつらくなる
これまで書いてきたHSPの仕事がつらくなる理由が蓄積していくと、だんだんHSPの仕事のパフォーマンスは落ちていき、普段できているようなこともできなくなり、ミスが増えていきます。
ミスが増えると、さらに上記のような仕事のつらさも倍増し、どんどん悪循環になっていきます。
責任感が強く、自責の念も強いHSPは、ミスが増えることで雪だるま式に仕事を続けられなくなってしまいます。
HSPが仕事を続けていくための条件

1.ストレスを感じにくい仕事、職種を選ぶ
HSPが仕事を続けていくためには、とにかくストレスを感じにくい職場、職種を選ぶことです。
できれば、1人で作業できるような環境が良いでしょう。
二人一組での仕事や常に複数人の視線を感じなければいけないような仕事はなかなか難しいと思います。
仕事の内容よりも、仕事の環境のことを考えて仕事、職種を選ぶ必要があるかもしれません。
2.人間関係をシンプルにする
HSPはとにかく人間関係から影響を受けやすく、それが直接仕事にも影響してしまいます。
人間関係はとにかくシンプルにすることを心がけましょう。
自分の仕事に直接関係のないような人間関係はできるだけ気にしないようにすること、そして自分の目の前の仕事に集中しましょう。
3.職場環境の変化が少ない
HSPは職場環境の変化に弱いので、事前にできるだけ、その仕事場が変化の多い仕事場かどうかを把握しておきましょう。
ただ、全く変化のない職場というのも存在しません。
自分が環境の変化に弱いことを自覚し、環境の変化があったときは、自分の体調、心の動きをじっくり観察し、しっかりとセルフメンテナンスをしましょう。
4.仕事のつらい気分を変える方法をもつ
HSPは感受性が強く、いろんな情報を広く拾って、深く処理してしまうので、気分の変化が激しいです。
また、他人や環境よりも、自分を責めてしまう傾向が強いので、気分が晴れないという状況が続いてしまいがちです。
自分で気分を変える方法をもち、つらい気分が鵜続いてしまわないように積極的な工夫を持ちましょう。
ちょっとした運動を習慣づけることや、気分をニュートラルに戻すルーティンなどを持てるといいですね。
5.仕事のつらさ、悩みを共有できる仲間を持つ
HSPの気質は目に見えないため、なかなか他の人には理解されません。
なぜ、自分ばっかりと考えてしまって、つらい気持ちが積み重なってしまうこともあるでしょう。
仕事でつらい思いをしていても、仕事以外に自分と同じ気質を持った仲間を持つことができれば、なんとか仕事を続けることができるかもしれません。
SNSなどでわりと多く企画されている、HSP交流会などに参加することで、仕事に対するつらい気持ちを和らげることができるかもしれません。
6.自分に合った働き方をしよう
上記のように、HSPが仕事をつらくなってしまうのには理由があります。それを理解し、自分に合ったは働き方をするというのが大事ですね。
合っていない仕事場で無理して頑張ってしまうと、長く体調を崩してしまうようなことにもなってしまうかもしれません。
もし、今の仕事が自分に合っていないと思うのなら、思い切って転職を考えてみるのも手かもしれません。
HSPの天職はフリーランス?

HSPにおすすめの働き方の1つにフリーランスがあげられます。
何かと大変ですが、自分で環境をカスタマイズでき、少ない人間関係で働いていくことができるのは強みです。
HSPの特徴を良い方に最大限発揮し、自由を感じながら生きていくためにも、フリーランスという生き方はありなのかもしれませんよ。
フリーランス、ちょっと考えてみませんか?