共感がウザい。
なんか、押しつけがましい・・・。
そんなふうに感じてしまうことがあるのはなぜなのでしょうか?
結論から言えば、共感には嫌われやすい共感と、嫌われにくい共感があるのです。
今回の記事では、「共感がウザい・押しつけがましいと感じるのはなぜ?こんな共感は嫌われる!」ということで書いていきます。
ひとえに共感と言っても、複数のニュアンスがあります。
これから、いくつかの共感のパターンをあげて、嫌われる共感と、そうでない共感を紹介していきます。
是非、読んでみてください。
ウザい共感の前に、まず共感ってなに?

共感という言葉にはいくつかの捉え方があります。
- 他人の考え・行動に、全くそのとおりだと感ずること。同感。
- 他人の体験する感情を自分のもののように感じとること。ワンネス感。
- 他人の言葉や表情をもとに、その感情や態度を追体験すること。感情移入的理解ともいう。
大体この3つの意味がごちゃまぜになってるのが、現代の共感という言葉のニュアンスですね。
ウザい共感の例

まずは、ウザい共感の代表格を紹介します。
あなたに私の何がわかるの?
このBさんのアプローチは、共感の3つの意味のうちの同感的なアプローチですね。
同感ですから、Bさんは、私もAさんと同じ体験をしたことがある、ということを前提に自分の主張をAさんに伝えています。
この同感的アプローチはウザくなりやすいです。
ここで、Bさんが同感できたのは、母と口喧嘩したというエピソードだけです。
「あんたには愛想がつきた」と母に言われて「マジ、嫌な気持ちになった」というAさんの感情は全くスルーなわけですね。
この時点では、Aさんは、母への感情をまだまだ言い切れていません。
まだ言い切れてないものを、わかった、同じだ、と言われて、しかも返す刀でBさんのエピソードを聞かされたら、Aさんには、まったく共感してもらえたという感覚はありません。
イライラと、怒りすら感じることだってあります。
大事なことですが、「わかったつもりなだけ」の共感は、相手にしてみれば、共感してもらえていないという感情を際立たせます。
繰り返しますが、「同じ」と言えるということは、私は相手のことが理解できているということが前提になっているのです。
「私は相手のことを理解できている」という前提に立った共感は、相手の感情からズレた、安易な決めつけを生みやすく、とてもウザくなりやすいのです。
あまり役に立たない共感の例

次に、相手にとって、あまり役に立たない共感の代表格を紹介します。
あなたのほうこそ大丈夫?
私も悲しくなってきた。グスン・・・。あんまりだよ・・・。
このBさんのワンネス的な共感は、あまりAさんの役には立ちません。
Bさんは、Aさんの話を聞き、「私だったら・・・」という自分の感情の波に飲み込まれてしまって、Aさんの気持ちに応じるところではありません。
Bさんの波打った感情で周囲一帯を満たしてしまうかのような迫力ですね。
Aさんは、Bさんの反応を見て、Bさんの心配をせざるを得ないでしょう。
Aさんは自分の感情に浸るどころではありません。
この場面では、AさんはBさんのケアに頭が切り替わりました。
そして、今後Aさんは、Bさんに自分の深い感情を語ることを躊躇するようになるでしょう。
このワンネス型の共感は、感受性の強いHSPや、エンパス系の人の身に日常的に起こりがちです。
心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
ウザくない共感の例

世の中には、ウザくない共感もちゃんと存在します。その代表格を紹介しますね。
うん、そうなんだ・・・。
これが、もっとも嫌われない共感、他人の言葉や表情をもとに、その感情や態度を追体験すること、です。
Bさんは、Aさんの言葉の、「あんたには愛想がつきた」という言葉に反応していることが明確であり、いつもと違う様子のAさんの表情や身体の動きも察しています。
そして一番重要なポイントは、Bさんは、Aさんの言葉を聞いて、共感はしても、Bさん自身の感情には注目せず、しっかりとAさんの感情に注目していることです。
Bさんが最後に添えている、心配だねという言葉が非常に共感的・感情移入的な言葉ですね。
嫌われない共感は、相手が「そうなんだ」と、言ってくれる共感です。
相手が「そう」と言ってくれていないのであれば、その共感は、共感したつもりになっているというだけです。
気を付けましょう。
気を付けないとウザくなる共感の例

最後に、ちょっと特殊な共感の例を紹介します。
え、そうなのかな・・・。そうかも・・・。
HSPや、エンパス系の人は、直観力が高く、異常に察しが良いところがあります。
ほんの少しの情報で、状況を理解し、相手や、相手の行動の影響を想像できてしまいます。
このBさんは、Aさんのいつもとは違う落ち込み方を敏感に察知し、その上で、そのような反応になっているAさんの状況を瞬時に想像しています。
この、Bさんの直観力に優れた、共感的考察は、Aさんの考える速度よりも早いので、ときにAさんは置き去りにされた気持ちになることがあります。
また、場合によってはAさんは、自分の認めたくない気持ちに、Bさんにすごい早さで触れられてしまって、思わず怒り出したりしてしまうこともあるでしょう。
自分には当たり前のように感じることを、そのまま伝えたら相手が嫌な気持ちになった、怒りだしてしまったということは、察しが良すぎる人には結構あることです。
それが、どんなに深く共感的な内容であっても、相手にとっては早すぎて、「そう」と言えないのであれば、やはりその共感はウザい共感です。
相手の意識を超えた共感、超共感は、時に相手を救うこともありますが、気を付けないとウザい共感であると知っておいた方がよいでしょう。
ウザい共感、押しつけがましい共感、おわりに

今回は、「こんな共感は嫌われる!共感がウザい・押しつけがましいと感じるのはなぜ?」ということで、
- ウザい共感
- 役に立たない共感
- ウザくない共感
- 気を付けないとウザくなる共感
を紹介しました。
ウザい、押しつけがましいと感じられる共感があることは確かですが、そうではない共感もあるということがわかりましたね。
ウザくない共感をするための一番のポイントは、自分が共感できているかどうかではなく、相手が共感してもらえていると感じているかどうかに注目することです。
共感するときは、相手から「そうそう」「そうです」「そうなんです」という言葉がこぼれているかどうかをしっかりチェックしましょう。
共感は、相手がちゃんと「共感してもらえた」と感じるようにできたとき、共感した側にもステキな気持ちがこみ上げてきます。
相手が心から喜んでいることが分かるからです。
ウザくない共感、是非実践してみてください。
冥王、黒田明彦でした。
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