共感覚(シナスタジア)という言葉をご存知でしょうか?
相手の気持ちを自分のことのように感じる、共感という言葉に似ていますが、実は全然違うものです。
簡単に言えば、共感覚は、1つの感覚器から取り入れた刺激から、2つの感覚情報をもらってしまうということです。
音から色が見えたり、映像から匂いを感じたりという感じで、2つの情報を感じ取る感覚のことですね。
今回の記事は「共感覚(シナスタジア)とは?色、匂い、オーラ、共感力との違いも」ということで、共感覚について紹介します。
是非読んでみてください。
共感覚とは?

共感覚(シナスタジア)は、ひとつの刺激に対して通常の感覚だけでなく、もう一種類の感覚を同時に感じる、一部の人が生まれつき持っている、特殊な知覚のことです。
世の中には、文字・数字・音に色を感じたり、形を見て味を感じる人がいるわけですね。
落ち込んでいることをブルーな気持ちと言ったり、色に関する感性豊かな比喩表現は様々にありますが、共感覚(シナスタジア)を持つ人は、そういう比喩に関係なく、純粋な知覚として生々しく文字や数字や音から色を感じているのです。
ただ、ある共感覚者が文字から見た色を、違う共感覚者が同じ色に見えるとは限りません。
共感覚に関しては、現在も研究は行われていますが、はっきりしたことはまだわかっていません。
共感覚の中で、一番発生率が高いのは、音を聞いて色を感じる知覚である、「色聴」と言われていますが、これも諸説あるようですね。
共感覚は、大人になるにつれて弱まっていく人もいる、というのも特徴の1つです。
共感覚者の割合

共感覚者の割合は、全くもってはっきりしていません。
一時期は10万に一人の超レアな知覚だと思われていたようですが、昨今では、1000人に一人、200人に一人、100人に一人、23人に一人という報告もあるそうです。
共感覚者に関する無作為な調査が行われていないし、共感覚を客観的に測定する機械などもないので、正確なところがわからないというのが現状です。
たとえば、学生時代、「クラスに一人もそんな人いなかったよ?」っていう人も多いかもしれませんが、共感覚者は、自分の知覚が当たり前だと思っていますので(他の人も自分と同じように知覚していると思っている)その感覚をわざわざ他人に話さないということが多いです。
したがて、クラスに共感覚者が存在していても、誰にも気づかれなかったということもありえます。
共感覚、色

共感覚者の中には、文字や数字に色が見える人がいます。
文字や数字は基本的に黒色で表されることが多いですが、共感覚者はこの黒がカラフルに見えます。
私は、数字に色が見えると聞いたときに、黒の明暗が少し変わったりとか、同系統の色が見える程度のものをイメージしましたが、
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
共感覚者には、このように実にカラフルに見えるようです。
HSPなど刺激に敏感な人は、このバラバラの数字の色を見ただけでウワッってなりそうですね。
数字や文字の色は、共感覚者によって違うようですが、基本的には、各色は日によって、場所によって変わるということはありません。
ただし、文字の色の場合は、その文字の意味がわからないときと、意味を知ったあとでは、若干色が変わることがあるそうです。
文字や数字に色が見えて得するの?

この共感覚によって、数字や文字から色を感じ取ることによって、特に大きなメリットやデメリットは感じない人が多いようです。
たとえば、文字や数字を色で覚えることで、暗記に役立つという人もいる反面、数字を色で覚えたあと、色しか思い出せなくなって困ったという人もいるようです。
一長一短ですね。
ひとつの刺激から常に2種類の知覚をするなんて、脳みそが疲れそうですが、その感覚が生まれてからずっと当たり前の人にとっては、それで疲れるってことも特にないみたいですね。
共感覚、匂い

共感覚者の中には、全ての匂いに、色、形、動きが見えたり、逆に、音や映像から匂いを感じる人がいます。
ラベンダーの匂いは青
ラーメンの匂いはオレンジ
海の匂いは緑
木の匂いはピンク
四角い物を触ると生クリームの匂い
丸いものを触るとニンニクの匂い
レゴブロックを見ると土の匂い
連想や、過去の思い出から来ている感じのしない組み合わせが多いのが不思議ですよね。
ちなみに、シンガーソングライターのスガシカオさんは、歌詞にカタカナを多く使っているようですが、その理由として「ひらがなや漢字についてる匂いを消したい」と言っていたそうです。
彼もきっと共感覚者なのでしょうね。
共感覚、オーラ

文字や音に色が見える人もいれば、人が色で見える人もいます。
それは相手から感じる印象、イメージの延長線上ではなく、生々しい知覚として人間の色が見える感じのようです。
共感覚で人に色が見えている人は「これはオーラが見えているわけではない」と、感覚的にわかっているところがあるようです。
そういう人は、文字や数字から色が見える人と同じく、普通の人が色から感じる一般的なイマジネーションとは関係ない色を見ているのが特徴的です。
共感覚と共感力の違いは?

共感覚と、共感力は言葉面は似ていますが、全くの別物です。
私も最近まで区別がついていませんでした。
共感覚の「共」は、自分の中の2つの感覚を指しますが、共感力の「共」は、自分と他人を指しています。
共感覚は、自分の5感の感覚が(6感もかな?)ダブって知覚されることです。
- 目からの刺激から匂いがする。
- 鼻からの刺激から映像が見える。
- 耳からの刺激から味がする。
このように、1つの感覚器から、2つの感覚情報が知覚されるような感じです。
これは、イマジネーションではなく、生々しい知覚であるというところがポイントですね。
それでは共感力とは何か?

共感力は、他人の身体や心の動きに対して自分の身体や心の動きがダブってしまうという力です。
- 他人の悲しい声を聞いただけで、瞬時に自分も悲しくなってしまう。
- けがをしている人を見ていると、自分も同じ部分が痛くなる。
- 怒られている人を見ると、自分も震え上がってしまう。
こちらもイマジネーションではなく、生々しい知覚レベルで感じられます。
これが、共感力の高い人は、自他の境界線が薄いと表現されるゆえんですね。
共感覚(シナスタジア)とは?おわりに

「共感覚(シナスタジア)とは、色、匂い、オーラ、共感力との違いも」と言うことで書いてきました。
共感覚は、1つの感覚器から取り入れた刺激から、2つの感覚情報をもらってしまう感覚ということがわかりましたね。
大変ユニークな感覚ですが、本人はそれが当たり前であると感じていることが多く、特に得することも、困ることもないということがわかりました。
また、それを仕事に活かしている人もいますが、年齢と共に、共感覚が薄くなる人もいるということもわかりましたね。
あなたの友達にも実は共感覚の持ち主がいるかもしれません。
人がそれぞれ、異なった感覚の世界を生きているということを実感するチャンスですね。
是非、今度皆で話題に挙げてみてください。
冥王、黒田明彦でした。
私のエネルギー、もらってね。