カウンセリング

【オウム返しは共感?】オウム返しの傾聴時の効果、来談者中心療法の実践

傾聴やカウンセリングの1つの有名な技法として、「オウム返し」があります。

今回はオウム返しについての効果と共感との関係について、そしてオウム返しをメインスキルの1つとしている来談者中心療法について書いていきたいと思います。

興味のある方は読んでみてください。

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オウム返しってなに?

「オウム返し」とは、相手が言った言葉をそのまま同じように声にして繰り返すことです。

これは、鳥のオウムの習性を例えた言葉ですね。

オウムは「おはよう!」「こんにちは!」と人間の言葉を覚えて繰り返すことができますよね。

動物は群れの中で認識し合う方法として、相手の鳴き声を真似する行動をするそうです。

オウムは、飼い主である人間の言葉を真似ることで飼い主に認識してもらおうとしているということですね。

オウム返しと傾聴

オウム返しとは、相手が言った言葉をそのまま同じように声にして繰り返すことです。

これは相手の話をしっかりと聴く、傾聴の大事な技術だと言われています。

傾聴のときは、1つ、2つの単語だけを捕まえれば良いのではなく、相手の語り全体をとらえてオウム返ししようとします。

それは、相手の語る言葉を一言一句もらさないというぐらいの迫力で集中して相手の会話を聴かなくてはできません。

オウム返しは、傾聴の中でも特にトレーニングを必要とするものの一つです。

上手な人に、的確にオウム返しされ、自分の言った言葉が相手の声でもう一度聞こえると、何か共鳴のようなものを感じ、自分の存在を受け止めてもらえたかのような感覚を得ることができます。

オウム返しと共感

レベルの高いオウム返しは、他人同士が同じ言葉で響き合う、身体と身体の共鳴とも言えます。

実際に鳥のオウムが認識し合うのと同じで、人間でもそのような感覚の共鳴というような、不思議な感覚は起こります。

言葉の意味ではなく、言葉の相(すがた)でやりとりをする。

そこで得られる共感覚は人間の意識を超えて身体に響きます。

なんだかよくわからないけど、嬉しい、元気がもらえる、自由を感じる。

それが、レベルの高いオウム返しをされると体感できます。

それは、まさに共感的な体験です。

オウム返しの効果

オウム返しは、的確に相手の言葉の相(すがた)を聴かなくてはできません。

相手の話を大体で聞いて、相手の話を自分の価値観で解釈して伝えるのではオウム返しとは言えません。

オウム返しは、あくまで相手の語った言葉、そのままを声にすることを目指して行ってこそ意味があるのです。

本気のオウム返しの効果には、以下のような効果があります。

  1. 相手にしっかりと聴いているという印象を与える。
  2. 相手は自分の言葉を丁寧にしっかりと聴いてもらえていることが確認でき、安心する。
  3. 相手は自分の言葉と向き合うことができる。
  4. 相手は自分の個人的な世界の言葉が伝わったと感じられる。
  5. 相手は自分の存在をそのままに受け止めてもらえたと感じる。
  6. 相手はスムーズに次の言葉を語りだす。

このような効果を生むようなオウム返しができるようになるには、相手の言葉の相(すがた)をこちらの意味で聞いてしまうことのないように、継続的でしっかりとした訓練が必要です。

オウム返しと来談者中心療法

私が20年近く学んできた来談者中心療法は、このオウム返しのやりとりが、来談者との全体のやりとりの実に8割から9割を占めます

これは、オウム返しに、来談者中心療法の創始者であり、カウンセリングの神様とも呼ばれる、ロジャーズの言うカウンセラーの3条件、一致性、無条件の肯定的関心、感情移入的理解のエッセンスが合理的に含まれているからです。

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オウム返しとカウンセラーの3条件

さてそれでは、オウム返しがなぜ、ロジャーズの言う、カウンセラーの3条件のエッセンスを合理的に含んでいるかを簡単に説明してみます。

カウンセラーの3条件

  1. 一致性
  2. 無条件の肯定的関心
  3. 感情移入的理解

オウム返しと、一致性との関係

ロジャーズの言うカウンセラーの3条件の中で一番大事とされているのがこの一致性です。

一致性とは、カウンセラーが自らの感情に開かれており、自分の所持している感情を隠したり、否定することなく受け入れているという状態です。

来談者中心療法のカウンセリングは、その名の通り、来談者が中心のカウンセリングです。

カウンセラーは自分の人生経験に基づいた意見や感想、価値観を来談者に伝え、教えることを控え、傾聴に徹し、来談者の自己理解をいかに促進し、助けるかということを基本命題にしています。

しかし、どんなに訓練をしたカウンセラーであっても、相手の言葉を聞き流しているだけでは、相手の言葉を聞いて触発された、カウンセラー自身の過去の経験に基づいた、自分の意見、感想、価値観からのアイデアが浮かんでしまいます

こうなってしまうと、相手の言葉の相(すがた)を純粋に聴き続けるのは難しくなってしまいます。

この身体の動きは、ほぼ避けようがない、非常に自然な動きです。

相手の言葉を聞いて触発され、自分の経験を語りたくならないようにするための、ほとんど唯一の方法が、相手の語る言葉の相(すがた)にとにかく集中し、必死にオウム返しを続けることなのです。

この辺りは、実際にオウム返しを本気で実践してみないとわかりにくいでしょうね。

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オウム返しと、無条件の肯定的関心との関係

ロジャーズの言う、カウンセラーの3条件の中で一番体現が難しいのが、この無条件の肯定的関心であると私は思っています。

しかし、この無条件の肯定的関心も、オウム返しという行為にそのエッセンスが含まれています。

カウンセラーの価値観をはさまず、カウンセラーの言葉を混ぜ込まずに、とにかくそのままに相手の言葉の相(すがた)をオウム返しし、相手に伝える。

これは、まさに相手を無条件に肯定する、非常に具体的な所作なのです。

自分が語った言葉の相(すがた)を誰かに、そのままの相(すがた)で聞いてもらえるということは、それだけで、そのままに(無条件に)私自身を受け止めてもらえた、私を肯定してもらえた、と体感できるのです。

感情探偵
感情探偵
なんだかよくわかんないけど、身体がすごく嬉しくなるんだよ。とても不思議な感覚なんだ。
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オウム返しと、感情移入的理解の関係

ロジャーズの言う、カウンセラーの3条件の中で、一番可能性に満ちているのが、この感情移入的理解です。

この感情移入的理解も、オウム返しに、そのエッセンスが含まれています。

感情移入的理解とは、相手の語る言葉の相(すがた)から、あたかも相手の感情を自分が感じているかのように理解するということです。

ここでのポイントは、相手の言葉を聞いて触発され、思い出された、カウンセラー自身の過去の感情に感情移入するということではない、ということです。

感情移入するのは、あくまで今ここの相手の言葉にです。

しっかりと今ここで、相手の言葉をそのままに聴き、オウム返しができないようなら、今ここの相手の言葉に感情移入することもまた、できないということです。

①私はリンゴが好きです。

②私はリンゴがとても好きです。

感情探偵
感情探偵
この2つの文章から感じられるものは、同じではないよね。さて、大事なのは相手が言ったのは、①、②、どっちの言葉の相(すがた)だったかな?ってことだね。 ちゃんと集中して聴いてないとわからないよね。

オウム返しとは?効果や、来談者中心療法との関係など、おわりに

いかがだったでしょうか。

私が学んでいるカウンセリグの学習は、このオウム返しを人生をかけて身につけていくような学習です。

オウム返しと言っても、実は非常に奥深いやりとりなのです。

時々私は、人間のコミュニケーションよりも、オウムのコミュニケーションの方が高度かもしれないな、と思うことがあります。

人間は、感覚的で身体的なコミュニケーションがどんどん下手になってしまっているような気がしますね。

私はそれが、現代人の生きづらさと無関係ではないような気がしてならないのです。

月の逆エンパス、黒田明彦でした。