見ず知らずの他人同士でも、言い争いをしているのを見るのは気持ちがよいものではありません。
しかし、世の中には、他人同士が言い争っているのを見たり聞いたりするのが、とてもきつい人がいます。
今回はそんな人のために、そのきつさの原因と対処法を説明します。
他人の言い争いがきついってどんな感じ?

他人の言い争いがきつい人の中には、ただ不愉快な気持ちを持つだけではなく、震えがでたり、涙が出たりと、身体の症状が出る場合があります。
そこまで強い反応が出てしまうと、何かと不自由ですね。
出先で見知らぬ人が喧嘩をしていたりなんかしたら、大変です。
上手く距離をとったり、逃げられる場面なら良いのですが、身動きがとれない状態だとしたらきついですね。
また、実際の場面じゃなくても、テレビでの喧嘩、乱闘などの暴力的なシーン、ドラマなどでもハラハラするシーンで、見ていられないということもあります。
youtubeなどでは、ドッキリ企画は大人気ですが、実は人が騙されているのを笑って見ていられないという人もいますね。
他人の言い争いがきつい原因

今回は、他人の言い争いがきつい原因を2つ考えてみました。
1.過去にトラウマがあって、それが無意識下で反応している
過去に身近な大事な人が、常に言い争いをしていたという経験を持っていると、普段は忘れていても、他人同士の言い争いを見るたびに、その場面を思い出してとてもこわい思いをしてしまうということがあります。
これは必ずしも、過去の場面を意識的にはっきりと思い出しているわけではなく、過去の経験のフラッシュバックが、身体レベルで起こってしまうということもあります。
意識の外にある嫌な記憶が、他人同士の言い争いをきっかけとして、身体に出てしまっているんですね。
この場合、あまりにも症状が顕著で、生活に著しい影響がある場合は、トラウマ解消を扱っているカウンセリングを受けるなどの対処が必要になります。
2.生まれつき、繊細で敏感な気質をもっている
もうひとつ原因として考えられるのは、あなたがHSPであるということです。
HSPとはハイリーセンシティブパーソンという英語の頭文字をとった言葉で、敏感で繊細な気質を生まれつき持っている人の事です。
アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念で、大体5人に1人の人がHSPの気質をもっていると言われています。
HSPはあくまで生まれつきの気質であり、病気や障害ではないというところがポイントです。
他人の言い争いがきつい、HSPの特徴

アーロン博士は、HSPには4つの特徴があると言います。
- 脳が情報を深く処理してしまう
- 非常に感受性が強く、刺激に大きく反応する
- 共感力が高く、自他の境界線が薄い
- 些細な刺激を感じ取る感性がある
HSPはこの4つの特徴を全て兼ね備えているといいます。
他人の言い争いを見ていてきつくなってしまうのは、この4つのうちの感受性の強さ、刺激に対する反応の大きさ、そして共感力が影響しているのでしょう。
HSPの人は、他人の行動や感情を見て、聞いて、それがまるで自分のことのように感じてしまうことがあります。
ですから、自分がその他人の言い争いに巻き込まれている気分になってしまって、きついわけです。
もしかしたら、言い争いをしている当人たちよりも、全然苦しい思いをしているかもしれません。
他人の言い争いがきついときの対処法

HSPの気質を持った人が、他人の言い争いがきついときにどう対処したらよいかを紹介します。
自分の気質を受け入れる
他人との言い争いがきついときの対処法のベースは、自分の繊細で敏感な気質を受け入れるということです。
自分の反応は、自分の気質からきているものであり、積極的な対処が必要なものだと理解することがまずは大事です。
逃げることに罪悪感をもたない
他人の言い争いをまるで自分のことのように感じてしまっていると、何かその場から去るのもいけないことのように感じてしまいます。
きつい場所から逃げることに罪悪感は必要ありません。
逃げるときは思い切りが大事です。
「あ、やばい、きついかも?」
と、思った瞬間に、逃げるという行動を起こすこと。
躊躇してしまうと、どんどん足が重くなってしまいます。
自分の気持ちを守るために、スパっとその場を離れましょう。
刺激を遮断する
状況によってはその場から逃げられないこともあるかもしれません。
そういうときは、情報・刺激を遮断しましょう。
とにかく見ないこと、聞かないこと。
目線を外し、イヤホンで音楽を聞いたりして、他人の言い争いが見えないように、聞こえないようにしましょう。
こわいものほど目がはなせないという心理もはたらくかもしれませんが、きついものを見ていても、きつくなるだけです。
自分を守るために、しっかりと情報の遮断を行いましょう。
自分を守り、相手に同情しない
共感力が高すぎると、言い争いをしている相手に知らず知らずのうちに感情移入をしてしまい、心が痛くなってしまいます。
しかし、冷たいようですが、あなたがどんなに心を痛めても、他人の言い争いの解決にはなりません。
相手の気持ちを自分からスパッと切り離すイメージで、自分の気持ちを大切にしましょう。
あなたより、楽にその場を収められる人はいる
私がなんとかしないと大変なことになるかもしれない…。
そんなふうな思考が頭をかすめることもあるかもしれません。
しかし、周りにはあなたよりもその状況に動揺していない人がいるはずです。
もし本当に誰かが介入しなくてはならない状況になったら、きっと他の誰かが何とかしてくれます。
それくらいの気持ちを持っていましょう。
課題の分離
嫌われる勇気という本でおなじみのアドラーさんの思想ですが、課題の分離という考え方があります。
言い争っている他人の課題はあなたの課題ではありません。
あなたが、他人の課題を解決することはできないし、その必要もないのです。
あなたはただ、必要以上にもらってしまっている刺激に対する処理を精一杯、行えばいい。
そういう自分を自分に許してあげてください。
言い争いがエスカレートして、殴り合いが始まってしまったら…
流石に人を呼びましょう。
そんな状態になってしまったら、繊細で敏感な人じゃなくても、対処は難しくなります。
大変な状況の時は、人を呼びに行くというのも大事な役割の一つです。
決して、一人でなんとかしようとはせずに、助けを求めにいきましょう。
他人の言い争いがきついときの対処法、まとめ

情報の遮断、感情移入を意識的に切る、そして、見て見ぬフリをすることに罪悪感を感じないこと。
肝心なのは、遠慮しないで自分自身を守ってくださいということです。
きついときは、きつくなくなるように、最善手を打ちましょう。
生まれつき気質は、変えようがありません。理解し、愛し、そして対応しましょうね!